久々の部活「楽しい」「快感」 埼玉県立校で通常登校が再開 川口北高、感染予防を徹底
近藤統義 (2020年6月23日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルスの影響で分散登校を実施していた埼玉県立学校で22日、通常登校が始まった。マスク着用や消毒など感染予防対策を続けながら、部活動も再開。生徒からは久々の活動を喜ぶ声が上がった。コロナ禍で一変した日常の学校風景が少しずつ戻ってきた。
バスケ部は週3回、1時間から 換気や男女交代制
川口市の川口北高校(生徒数約1070人)は1~19日まで段階的に登校日数を増やし、学年ごとの分散登校を実施。この日から全学年がそろい、「生徒も保護者も不安を抱えていると思うが、まずはスタートを迎えられてほっとした。学習やメンタル面のフォローが今後さらに必要になる」と長谷川弘教頭は話す。
部活動は県教育委員会のガイドラインに従い、週3回、1回60分程度の活動から再開。体育館には消毒液や換気用の扇風機を置き、密集状態にならないよう男女の時間を分けて練習した。内容も長期休校による体力の衰えを考慮し、負荷の少ないメニューにした。
女子バスケットボール部主将の3年上沼実莉(みのり)さん(17)は、久しぶりに仲間と汗を流し、「本当にバスケが楽しいと感じる」と充実感をにじませた。選手同士のハイタッチは避け、練習後はボールの消毒などを徹底するという。
演劇部、マスク姿で公開稽古「舞台はやっぱり違う」
文化部も工夫を凝らす。演劇部は視聴覚室に入部を考えている新入生を招いて、「銀河鉄道の夜」の公開稽古を行った。生徒たちはマスク姿で演じ、観客の座席には密集して座らないための張り紙も。当面は大声を出す発声練習は控えるという。
生徒たちは休校中もLINE(ライン)の電話機能でせりふの読み合わせをしてきたが、「舞台に立ち、人前で演じる快感はやっぱり違う」と部長の3年斉藤匠さん(18)。春の自主公演が中止になったまま3年生は今月末で「引退」するため、入試が落ち着いた卒業前に記念の公演を計画している。
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