「コロナ差別」が感染拡大につながる 渋谷区立中で新聞社説を元に道徳授業

(2020年7月29日付 東京新聞朝刊)
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新型コロナウイルスに感染した人への偏見と差別について考える道徳の授業=東京都渋谷区の区立上原中で

 偏見や差別はなぜ起きるのか。なくすにはどうしたらいいのか。新型コロナウイルスに関する新聞の社説を使った道徳の公開授業が7月中旬、東京都渋谷区の区立上原中学校(守原智信校長、生徒数264人)で行われました。授業は全クラスで共通の教材、手順で行われ、生徒がタブレット端末に書き込んだ意見を全校で共有しました。

体調不良を言い出しにくくなる発言って

 教材に使われた社説は、4月23日の読売新聞「コロナ過剰反応 偏見は社会不安しか生まない」。医療従事者への差別事例を紹介し「偏見から生まれた行為が、現場を疲弊させ、医療崩壊を招く」と説いています。「誹謗(ひぼう)中傷が続くと、感染拡大を防ぐため情報を積極的に公開しようとする動きに、ブレーキがかかりかねない」という社説の文章から、どのような発言が発熱などの体調不良を言い出しにくくするか、生徒たちは考えました。

 3年1組では「休んでいる人のことを『○○さん、コロナじゃない?』」「この教室にコロナの人がいたら、最悪だよね」などの発言例が上がりました。担任の伊藤郷先生(36)が「差別が体調不良を言い出しにくい空気をつくり、感染拡大が加速する、つまり、『差別が病気を生む』ことになる」と説明。授業のまとめとして、生徒たちは、偏見や差別をなくすために、自分に何ができるかを考え、ネット上のノート機能を使い、タブレット端末で意見を書き込みました。

「誰でも感染のおそれあること忘れない」

 「不安を誰かに向けて差別に変えるのは違う」「誰でも感染するおそれがあるということを忘れない」といった心のあり方についての意見がありました。また、「体調が悪い人に対して差別的な発言をせず、逆に不安を和らげる空気をつくる」「差別を言っている人がいたら必ず止める」など、自分がどう行動するかを考えた生徒も。

 授業を企画した伊藤先生は「感染症に関する偏見や差別が深刻な社会問題であることが、より生徒に伝わるのではと考えた」と新聞の社説を取り上げた理由について話します。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年7月29日

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