奨学金のこと今から知っておこう② 貸与型は無利子の「第一種」と有利子の「第二種」〈どんぶり一家のマネー術〉

(2020年9月4日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

どんぶり一家のマネー術

 主婦の財子(ざいこ)さん(39)と会社員の夫の経男(つねお)さん(42)、長男税太(ぜいた)くん(4)、長女貨保(かほ)ちゃん(0)のどんぶり家。一家のお金の悩みにFP陽子さんが助言するコーナーです。

貸与型利用者が大多数

 財子 前回は給付型の奨学金について教わりました。中間所得層だと、返還が必要な「貸与型」を使う場合が多いのですよね。

 陽子 はい、貸与型は無利子の「第一種」と、有利子の「第二種」があります。日本学生支援機構の奨学生数を見ると、2018年度は給付型が約2万人なのに対し、貸与型の第一種は約55万人、第二種は約73万人です。若い世代を支えるため「有利子から無利子へ」と政策が転換され、以前より第一種が増えましたが、まだ第二種の方が多いですね。

 財子 利用できる条件に違いがあるのですか。

 陽子 そうですね。主に収入と成績です(下の図を参照)。4人世帯の会社員家庭の場合、第一種の収入基準の目安は747万円以下。高校での成績が5段階評価で平均3.5以上などが条件です。第二種は収入目安は1100万円以下で、成績は平均水準以上など、第一種よりも緩やか。貸与金額も2万~12万円の間で1万円単位で選べます。私立の医学部や歯学部、薬学部などの場合、一定の増額も認められます。

利子は一般の金利よりは大幅に低く設定

 財子 有利子だと、返済が心配ですが。

 陽子 返還利率は年3%を上限に、貸与終了時に決まりますが一般の金利よりだいぶ低く設定されています。今年7月の貸与終了者は、変動金利0.003%、固定金利0.233%でした。

 財子 貸与型の第一種、第二種を併用できますか?

 陽子 条件が合えば可能です。給付型との併用もあります。ほかに「入学時特別増額貸与奨学金」という有利子の奨学金もあります。10万~50万円の一時金を10万円単位で選べます。

振り込みは進学後 入学金には間に合わない

 財子 入学用のお金ですか?

 陽子 勘違いしやすいのですが、奨学金はいずれも進学後に手続きをして振り込まれます。合格発表後すぐに支払う入学金や前期授業料の納付期限には間に合いません。奨学金を利用するつもりでも、八十万円ほどは準備しておく必要があります。 

 

監修・八木陽子

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 東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体「キッズ・マネー・ステーション」を設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う「株式会社イー・カンパニー」を設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。

※「どんぶり一家のマネー術」は毎月第1金曜に掲載します。次回の掲載は10月2日です。

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