コロナ休校中、読書呼び掛けた学校74% 「朝の読書」推進する財団法人が調査

岩岡千景 (2021年2月28日付 東京新聞朝刊)
 新型コロナの影響による休校中に、児童や生徒へ読書を呼び掛けた学校は7割以上に上ることが、公益財団法人「高橋松之助記念顕彰財団」(東京都新宿区)のアンケートで明らかになった。同財団は、調査結果をまとめた冊子を希望する先着50人に贈呈する。

本の話をライブ配信 家から蔵書検索

 高橋松之助記念顕彰財団は毎年、児童や生徒が始業前などに教室で好きな本を読む「朝の読書」に積極的に取り組む学校を表彰してきた。コロナの影響で昨年は表彰事業を中止し、全国の歴代受賞校の小学校から高校まで42校にアンケートを実施。10月までに全校の回答を得た。

 それによると、20年3月からの休校中、児童や生徒への呼び掛けなど読書推進に取り組んだ学校は74%。「電話で来校日を相談する」「貸出上限数を2冊から5~10冊に増やす」「貸し出し希望をメールで受け付ける」などの工夫をし、学校図書館を活用した学校もあった。本についての話をライブ配信したり、学校の蔵書を自宅からネット検索できるようにしたりした学校もあった。

高校は授業の進みが速く、ゆとりなし

 また、コロナ禍で感じた読書の効果や影響を尋ねると、小中学校では休校中や休校明けに本の貸し出しが増え、子どもたちが本を求めたことを伝える声が目立った。しかし、高校では「休校中の遅れを取り戻すため、授業の進度が速くゆとりがない」などとして「図書館の貸し出しが昨年度に比べ減少している」という声もあった。

 このほか、朝の読書の進め方や読書活動の課題、蔵書数などについても質問し、冊子には各校の回答を掲載した。冊子は非売品でA4判、56ページ。希望者は「冊子希望」の旨と氏名、住所、電話番号を書き、メール=hara@ajpea.or.jp=か、ファクス=03(3266)1855=で申し込む。送料無料。問い合わせは高橋松之助記念顕彰財団事務局=電話03(5225)9711=で受け付けている。

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