幸手市の小6と中学生、2学期前にワクチン集団接種 「成長に影響は?」保護者の不安に医師が回答

(2021年8月25日付 東京新聞朝刊)

12歳以上の希望者が対象

 小中学校の2学期が始まるのを前に、埼玉県幸手市は8月26日と29日の両日、希望する中学生と小学6年生(12歳以上)を対象とした新型コロナウイルスワクチンの集団接種を行う。子どもの感染が増える一方、副反応を恐れてワクチン接種を悩む子どもや保護者もいることから、市は接種の判断に役立ててもらおうと、医師による保護者向け説明会を19日に市内で開いた。

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新型コロナウイルスワクチンの効果と副反応について説明する高木医師=埼玉県幸手市のアスカル幸手で

副反応を解説 「若い年代ほど出やすい」

 説明会の講師は、小児科診療をするたかぎクリニック(久喜市)の院長で、南埼玉郡市医師会の高木学会長が務めた。

 高木会長は、埼玉県内の7月下旬と今年1月下旬の感染者数を比較して若者の感染が増加している一方、ワクチン接種が進む60代以上では感染者数が減少しており、ワクチンの効果が出ていると指摘。「若い人でも積極的に受けていただきたい」と呼び掛けた。発熱や接種部位の痛みなど副反応の内容や、若い年代ほど副反応が出やすいことなども説明した。

「子宮に影響は?」 34件の質問に回答

 保護者からは事前に34の質問を受け付け、高木会長と市の担当者が答えた。「(子どもの)成長に影響は出ないか」には「全くありません」、「女の子だが子宮に影響が出ないのか」には「全くないと思う。日本産科婦人科学会も妊婦に接種を奨励している。将来妊娠できなくなるようなこともない」と回答。「アレルギーがある人とない人で副反応に差はあるか」には「差はない」とした。

 また、市内の小中学校では、副反応が出て学校を休んだ場合は欠席扱いにならないという説明もあった。

1600人中658人が接種へ 9月に2回目

 出席者からは説明を聞いて不安が軽くなったという感想が出た。中学3年生の男子生徒の母親(42)は「子どもはアレルギーがあるので接種に不安があったが、話を聞いて副反応が出ても慌てずにいられるかなと思う」と話し、接種を受けさせるつもりだという。

 中学2年の娘がワクチン接種の副反応を怖がっているという母親(46)は、娘から説明会を聞いてきてほしいと言われて参加。「コロナにかかって後遺症で娘につらい思いをさせたくはない。やっぱり打った方がいいのかな」と話した。

 説明会は幸手市内の小学6年生と中学生約1600人の保護者が対象で、280人が出席した。658人が接種を受ける予定。2回目の接種は9月に予定されている。説明会の内容は幸手市のホームページでも見られる。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年8月25日

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