コロナ禍の2学期、感染が不安で登校できない子のケアが課題に 実態を把握できていない自治体も

布施谷航 (2021年9月6日付 東京新聞朝刊)
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新型コロナに不安を抱く小中学生への対応も求められている=八王子市で

 子どものコロナ感染が拡大する中で2学期が始まったが、感染への不安から小中学校に登校できない児童・生徒のケアが新たな課題に浮上している。東京都羽村市では2人の児童が昨春から自宅学習を続け、同市はケアに当たっている。多摩地域では実態把握に向けた取り組みも、自治体によってまちまちだ。

羽村市の小学生2人 オンライン授業で

 昨年4月の緊急事態宣言発令に伴い羽村市の学校も休校に入ったが、小学生2人はそのときから現在まで登校できない状態が続いている。

 羽村市教育委員会の佐藤晴美参事は「(児童2人は)放課後に学校に行って先生と面談したり、学校から(家庭に)連絡を入れたりして様子は確認している」と説明。「インターネットを通じ授業を受けてもらうなど対応している」と話している。

 コロナ感染拡大に伴う登校の取り扱いについて文部科学省が示すフローチャートでは、校長が「合理的な理由がある」と判断した場合、登校しないことが認められている。児童2人はこれに該当するという。

「長期の不登校はコロナ以外の理由も」

 羽村市は小中学校が10校だが、学校数が多い自治体は、コロナ感染への不安から学校に通えない子どもたちの実態把握も難しいようだ。

 立川市教委によると、昨年4月~6月に小中学校が休校となり、再開後も登校できない子どもがいたが、今年に入って情報は寄せられていないという。

 町田市教委の担当者は「何日かおきに学校に来ている子どももいるだろう」と推測。「長期にわたって不登校になっている場合、コロナ以外の理由も考えられる」と調査の難しさを指摘する。

文科省「コロナに特化した調査はない」

 八王子市教委は、デルタ株による第5波の感染拡大に対応し、今月から、毎日登校していない児童や生徒の人数の報告を各校に求めることにした。担当者は「感染拡大の局面で、学校に来ていない児童や生徒の実態を把握し、学習の遅れに対応することが必要と判断した」と強調した。

 文部科学省の担当者は「毎年、不登校の児童や生徒の調査はしているが、コロナの影響に特化した調査は行っていない」と話す。11月に発表される不登校の調査結果では「コロナの影響が加わるため、今年は増えるかもしれない」との見通しを示した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年9月5日

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