コロナ感染者の「接触者の特定」「出席停止期間」、判断に悩む学校現場 保健所の業務逼迫で追跡調査できず

飯田樹与 (2021年9月11日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 児童生徒や教職員の新型コロナウイルス感染が確認された際、接触者の特定や出席停止の期間などの判断に、学校が苦慮している。感染者の急増で、埼玉県所管の保健所が感染経路をたどる積極的疫学調査を一時的に中止しているためで、感染者が一人でも念のためとして学年閉鎖する学校も出ている。

専門知識がない教職員…範囲や期間を大きめ・長めに

 埼玉県によると、さいたま市を除く公立小中高、特別支援学校の児童生徒と教職員の感染者数は1~7日に299人(うち教職員は20人)。学年閉鎖や学級閉鎖した県立学校は1~10日に5校あった。うち3校はいずれも感染者は1人だったが、学年での活動があったなどとして学年閉鎖とした。

 これまでは保健所が感染者の行動歴や接触歴から濃厚接触者を特定し、PCR検査の対象を決めていた。検査のためいったん学年閉鎖などになっても再開までの期間が短く、児童生徒も陰性が確認されれば短期間で復帰できたという。

 しかし、感染者の急増で県所管の保健所は業務が逼迫(ひっぱく)し、8月中旬から学校での積極的疫学調査を中止。これを受けて県教育委員会は8月下旬、クラスに感染者が2人以上▽感染者は1人でも周りに風邪症状や濃厚接触者相当と判断された人が数人いるー場合は学級閉鎖とする目安を示し、各学校や市町村教委で判断するよう求めている。

 ただ、専門知識がない教職員らが濃厚接触者やPCR検査の対象を特定するのは難しく、結果的に閉鎖の対象範囲や期間、出席停止の期間を長くせざるをえないという。

 高田直芳県教育長は10日の定例会見で「学校現場には苦労をかけているが、可能な限り学習を継続させてほしい」と述べた。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年9月11日

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