「母語の力で子どもの自己肯定感を」 日本語教師らのNPOが日本語・ポルトガル語の語彙集を出版

早川由紀美 (2022年4月14日付 東京新聞朝刊)
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「子どもたちの自己肯定感につながれば」と話す樋口さん(中)ら=横浜市神奈川区で

 外国につながる子どもたちの日本語教育などを支援しているNPO法人「日本語・教科学習支援ネット」(横浜市)が「用例文でわかる 日本語・ポルトガル語語彙集」(誠文堂新光社)を出版した。6000語以上の日本語用例文とポルトガル語対訳を掲載している。

子どもを励まし、受け入れ側にも学びを

 日本語教師らでつくる同NPOは、中国語やポルトガル語、スペイン語といった母語で日本語を学ぶための教材を作り続けている。「母語の力を使うことで子どもたちの自己肯定感につながる」との思いからだ。樋口万喜子代表(64)は、授業の間、意味の分からない漢字を繰り返し書く子どもの姿に胸を痛めてきた。

 日本語・ポルトガル語語彙集は2008年に初めて出版。その後、経験豊かな退職教員に用例文を作ってもらうなどして、今回改訂版を出した。

 例えば「官庁」という語には「官庁(かんちょう)は国(くに)の仕事(しごと)をする役所(やくしょ)である」とルビ付きの用例文を添えて、ポルトガル語対訳を掲載。他にも「完全(かんぜん)な人間(にんげん)はこの世(よ)にはいない」など、用例文が知識につながったり、子どもたちの気持ちを励ましたりする工夫を凝らしている。

 樋口さんは、米アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」に多言語演劇の場面があったことに感銘を受けた。「外国につながる子どもたちを受け入れる側にも学びがある。多様性がこれからの主流になるといい」と願っている。

 定価2420円。368ページ。B5判。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年4月14日

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