川崎市の「子ども・若者応援基金」に予想以上の寄付 残高は3億円超、支援拡充へ
北條香子 (2024年1月19日付 東京新聞朝刊)
川崎市が設置する「子ども・若者応援基金」への寄付が市の想定を上回る規模となっている。基金は社会的養護の子どもたちの学習機会の確保や、国際的な活躍を目指す市立高校の生徒たちの後押しなどに活用されている。市は18日の市議会文教委員会で、潤沢な基金をさらに生かすため、2024年度に取り組みを拡充する方針を明らかにした。
「機会格差の解消」「挑戦の後押し」
子ども・若者応援基金は2018年度に創設され、財源は競輪・競馬事業の収益や、寄付やふるさと納税。川崎市によると、個人や企業からの寄付は2022年度、1億円に上ったほか、グッズ販売の収益を寄付するといった動きなどもあり、趣旨への賛同が広がっている。コロナ禍で一部の事業が実施できなかったこともあり、2022年度時点の基金残高は3億円を超えている。
市は使い道として「機会格差の解消」と「挑戦の後押し」を二本柱に掲げ、児童養護施設などで暮らす子どもたちの学習や退所後の進学の支援、市立川崎、橘両高校の生徒を対象とした「グローバル人財育成事業」などを実施してきた。市によると、施設で生活する子ども向けの奨学給付金や学習支援費などは年々増えているという。
高校生の先端技術活用事業にも使用
川崎市は新年度、活用策の3つ目の柱として新たに「地域で支える」を加える。昨秋から始まった、ウォーキングの歩数によって学校に応援金が還元される事業「かわさきTEKTEK(てくてく)」にも基金から財源を充てる。
また「挑戦の後押し」として、市立総合科学高校の生徒を対象に人工知能(AI)やドローンなどの先端技術を活用した社会課題の解決を考える事業を始める。22年度から実施されている市内の高校生らが量子コンピューターについて学ぶプログラムにも基金を活用する。
この日の文教委員会では、委員から「(使い道として)科学技術分野が多いが、文化系に興味のある子どもが抜け落ちないよう、意識的に今後の事業の検討を」などと意見が出された。
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基金は良い事に使われているはずなのに、川崎市では、なぜ議会で教育長が糾弾されたり「プールの水出しっ放し」事件が起きたりするのだろう?不思議である。