孫に何でも与えるお義母さんと妻がケンカして〈お父ちゃんやってます!加瀬健太郎〉

(2021年4月2日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

お父ちゃんやってます!加瀬健太郎

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 長男がしかめっ面をして仕事部屋に入ってきた。どうしたのかと聞くと、わが家に来ていた妻の母と妻がケンカをしていたらしい。

 長男がバスケットボールが欲しいと言いだし、「買ってあげるわよ」という義母と、「すぐになんでも買ってあげるのはよくない」という妻が言い合いになったようだ。

 妻の言うことは正論ではある。が、「今更そんなことで?」という思い。

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 思い出してみよう。

 長男が2歳の時、初めての子どもで張り切っていた僕ら夫婦は、甘いお菓子を与えないで頑張っていたが、陰でチョコレートを与えていた義母。

 お手伝いで、おこづかいを20円ぐらいあげて、子どもにお金の大切さを教えているつもりだったのに、いきなり5000円のおこづかいをあげて、極度のインフレを引き起こす義母。

 エトセトラ、エトセトラ。

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 たどり着いた答えは、「おばあちゃんて、そういうものだってよ」です。孫の笑顔が見られるなら何だってするさまは、さながらホストクラブの客。プレゼント(突然送ってくる)に同伴(すぐ外食)、アフター(とにかく外食)、シャンパンタワー(炭酸ジュース飲ませまくる)。

 金に糸目はつけません。「世の中には、2種類の子どもしかいない。孫か、孫以外か」。それぐらい孫ってかわいいものらしいですから。

 子どもたちも、これが日常じゃないことぐらい分かってる。そうこれは「孫祭り」。踊る阿呆に見る阿呆。もう僕はお義母さんと一緒に踊ることにしています。

加瀬健太郎(かせ・けんたろう)

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 写真家。1974年、大阪生まれ。東京の写真スタジオで勤務の後、ロンドンの専門学校で写真を学ぶ。現在は東京を拠点にフリーランスで活動。著書に「スンギ少年のダイエット日記」「お父さん、だいじょうぶ?日記」(リトルモア)「ぐうたらとけちとぷー」(偕成社)など。10歳、8歳、3歳、0歳の4兄弟の父。これまでの仕事や作品は公式サイトで紹介している。

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