母親が法廷で証言「しつけ」エスカレートの実態 目黒女児虐待死 父親はうなだれ…

小野沢健太 (2019年910月4日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 東京都目黒区で昨年3月、両親に虐待された船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5つ)=が死亡した事件で、傷害や保護責任者遺棄致死などの罪に問われた継父の雄大(ゆうだい)被告(34)の裁判員裁判が3日、東京地裁であり、元妻の優里(ゆり)被告(27)=一審で懲役8年判決、控訴=が証人として出廷した。死亡の3日前、結愛ちゃんの体重が激減していることに気づいた雄大被告が、「12キロ台はやばい」とつぶやいたと証言。雄大被告は、危険な状態と認識したのは死亡前日だったと主張している。

結婚当初「なついて仲良しだった」

 自身が判決を受けた法廷に、検察側の証人として現れた優里被告。雄大被告からかつて心理的DV(ドメスティックバイオレンス)を受けており、顔を合わせないよう被告人席との間は板でさえぎられた。

 優里被告は2016年4月の結婚当初、雄大被告は結愛ちゃんとスキンシップを図り、動物園にも連れて行ったと証言。「結愛もなついて、とても仲良しだった」と振り返った。

おなかを蹴り、厳しい食事制限も

 だが、「歯磨きしなよ」と諭すくらいだった「しつけ」は次第に厳しくなり、説教が1時間続くことも。そして同年11月、優里被告は雄大被告が結愛ちゃんのおなかを「思い切り蹴り上げた」のを目撃した。最初に目にした暴力だった。

 暴力が激しさを増したのは昨年1月、香川県から目黒区に引っ越してから。「2月に入ってすぐ結愛の体にアザができ、外に連れて行けなくなった」と優里被告。結愛ちゃんは厳しい食事制限も受け、衰弱が進んだ。

死亡3日前「12キロ台はやばい」

 雄大被告が結愛ちゃんに馬乗りになり、何度も顔を殴打した直後の2月27日。雄大被告が結愛ちゃんを体重計に乗せると、前月より4キロ以上も減っていた。「12キロ台はやばい」。雄大被告はそう言ってバナナとコーヒーを渡したという。結愛ちゃんは残さず食べたが、その後に嘔吐(おうと)。3月2日、息を引き取った。

 検察側からの質問の最後、雄大被告への思いを問われた優里被告は、目に涙をためながら「もう結愛と(両被告の)息子には近づかないでほしいです」と強い口調で決別を告げた。雄大被告は終始、うなだれて顔にハンカチを当てていた。 

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年10月4日

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