「男の子の育児」に悩む親へ 厳しいしつけは必要ない! 子育てアドバイザー高祖さんが対処法を本に

(2020年7月18日付 東京新聞朝刊)
 4月に施行された改正児童虐待防止法などに、親などからの「体罰禁止」が明記されたことを受け、子育てアドバイザーの高祖常子(こうそ・ときこ)さん=東京都=が、たたいたり怒鳴ったりしないための対処法を本にまとめた。親が「厳しいしつけが必要」と思いがちな男の子の育児に焦点を当てた。「『男の子はこうであらねば』との固定観念や親の呪縛から解放されてほしい」と話す。
男の子の子育てについて話す高祖常子さん

男の子の子育てについて話す高祖常子さん

「女の子より育てにくい」の背景は

 タイトルは「男の子に『厳しいしつけ』は必要ありません! どならない、たたかない!で才能はぐんぐん伸びる」。法改正で親権者からのしつけ名目での体罰禁止が盛り込まれた。厚生労働省の検討会委員も務めた高祖さんが、法制化の意義や子どもへの影響も解説する。

 各地で「たたかない子育て」講座の講師を務める高祖さんは、男の子の親が「厳しくしないと分からない」「女の子より育てにくい」などと話す声を聞いてきた。「男の子は強くなければ、といった考えが背景にあるのでは」。

高祖さんの著書「男の子に『厳しいしつけ』は必要ありません! どならない、たたかない!で才能はぐんぐん伸びる」から(KADOKAWA提供)

高祖さんの著書「男の子に『厳しいしつけ』は必要ありません! どならない、たたかない!で才能はぐんぐん伸びる」から(KADOKAWA提供)

戦いごっこや車が好きとは限らない

 本では、年齢ごとの発達の目安と、シーン別の対処法をイラスト入りで紹介。「突然走り出して迷子になる」場合は、子どもが走りたい気持ちを自制できないため、「手をつないで歩く約束と事前の練習を」と提案する。「男の子なのに、ままごとや料理なんて」という声には、男の子が皆、戦いごっこや車が好きとは限らないとして「やりたいという気持ちの芽を摘まないで」と助言している。

 2男1女を育てた経験から、ドングリを拾い続ける子には「子どもがたくさん集めたと自慢したい気持ちに共感を」とも。しかる時は「近づいて、短く、きっぱり」がポイントという。

 「いつもできなくても、その都度思い出し、体罰などによらない子育てが広がれば」と語る。KADOKAWA刊、税込み1430円。

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