子どもの靴の正しいサイズは「中敷きがつま先1cm弱余る」 大きめだと指が変形する危険性

佐橋大 (2020年11月13日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 すぐ小さくなる子どもの靴。長持ちするよう、大きめを買う親は少なくない。しかし、サイズの合わない靴を履いていると、立った時に指が浮く「浮き指」や、足の小指が内側に曲がる「内反小趾(しょうし)」などになる確率が高まるという。幼児期の靴のサイズと足の関係を研究する金城大(石川県白山市)医療健康学部准教授の小島聖(さとし)さん(42)に、正しい靴の選び方を聞いた。
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中敷きを足に当てて、つま先が1センチ弱余る大きさが目安=石川県白山市の金城大で

脱ぎ履きしやすい大きめを選びがち

 小島さんらのグループは2017~18年、白山市の小学1、2年生119人について、足のつま先からかかとまでの長さと靴の大きさを調査。それによると、適切なサイズの靴を履いていたのはわずか23.5%。73.9%は実際の足より1.0センチ以上大きい靴を履いていた。市内の中高生を対象にした調査でも同様の傾向が見られ、大きい靴を「ちょうどいい」と感じる生徒が多かったという。

 「幼いうちから大きいサイズを履いていると、それに慣れてしまう」と小島さんは指摘する。親が子どもに大きめの靴を選ぶ理由の一つは、成長の早さ。もう一つは、脱いだり履いたりのしやすさだ。足は大きさに加え、甲高や幅広など形もさまざま。どれかが合わないと、足が入れにくい。そのため、親は脱ぎ履きがしやすいよう、大きい靴を選んでしまうという。

浮き指、反り腰、猫背になることも

しかし、それは指の変形につながりやすい。小島さんらが2015~2017年、白山市の3~5歳児629人に行った調査によると、大きい靴を履いている子のうち、1本でも浮き指があるのは74.5%。適切なサイズを履く子の52.6%を上回った。こうした足の異常があると立った時に不安定になりやすく、反り腰や猫背など体の不調を招く恐れがあるとされる。

 浮き指は、指先の筋肉が硬くなり、指が地面から浮いた状態。小島さんによると、大きめの靴は足が中で動き、固定しようと無意識に指が上がる。それが癖になるのが浮き指だ。内反小趾も靴の中で足が動くことが原因。指が内側に押しつけられることで生じるという。すぐ脱げてしまう靴だと、前に進もうと地面を蹴り出すことも難しくなる。

「幅」と「甲の高さ」も注意が必要

 ぴったり合う靴を選ぶには、まず中敷きを取り出して足に当ててみるといい。「一番後ろをかかとに合わせた時に、つま先より1センチ弱余るのが目安」と小島さん。幼児のうちは脱いだり履いたりしやすいよう、マジックテープを剥がすと足を入れる部分が大きく開く靴がお薦めだ。脱ぎ履きが楽なため、大きめの靴を選ぶ可能性が減る。

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同じサイズでも形が異なる。手前の靴は甲高、幅広に対応している

 形にも注意が必要だ。同じサイズ、メーカーでも、通常に比べて幅が広め、甲が高めのデザインがある場合も多い。子どもの足の形に合う靴はどれか、しっかりと見極めたい。「子どもの足は12歳前後まで、1年間に1~1.5センチ成長する。半年に一度はサイズを確認することが大事」と呼び掛ける。

 足に合った靴を履けば、浮き指は良くなる。小島さんは2017年、足の形のスキャンを基に、小中高生計120人に幅や大きさが合った靴を提供。1年間にわたって履いてもらったところ、1本でも浮き指があった94人のうち、67人で浮き指の数が減った。「成長してからでも改善は可能だが、適切な靴を履けば異常は未然に防げる」と小島さん。「靴を選ぶ時は、入念に試し履きをしてほしい」と話す。

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