ブドウで4歳児が死亡 乳幼児の窒息事故「丸くてつるっとした食材」に注意 安全な食べ方は?

植木創太 (2020年10月13日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

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 乳幼児が食べ物を喉や気管に詰まらせて窒息する事故が後を絶たない。9月には東京都内で、認定こども園の給食に出たブドウを食べた4歳の男児が亡くなった。日頃から口にしている菓子や果物も、食べ方によっては窒息を引き起こすため注意が必要だ。 

14歳以下の窒息死事故は103件 8割超が6歳以下

 消費者庁によると2010~2014年の5年間で、食べ物を原因とする14歳以下の窒息死事故は103件。6歳以下が8割超を占める。

 毎年多くの子どもが気管などに異物を詰まらせて救急受診するあいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市)。保健室長で小児科医の杉浦至郎さん(42)によると、窒息につながりやすいのは、事故の原因にもなったブドウのように丸くつるっとした食材。意図せず喉へ入り、空気の通り道をふさぐ危険がある。

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幼い子は丸のみ傾向 ブドウやミニトマトは4等分に

 就学前の乳幼児が口を開いた時の大きさは幅4センチ、奥行き5センチほど。これより小さいとすぽっと入ってしまう。一方、気管の太さは1歳未満で直径0.5センチ、5歳前後で0.7センチ程度。奥歯が生えそろっていない4歳未満はかみ砕く力が弱く、丸のみしようとする。吐き出す力も弱い。これらを考えると、大きさが1~5センチ程度でかみ切りにくい食材は、小さく切らないと窒息の恐れがある。

 杉浦さんによると、ポイントは食材の特徴に応じて形や大きさを変えること。丸く、つるっとして粒の大きいブドウやミニトマトは「4等分にする」、弾力があるこんにゃくは「1センチ程度に切り、さらに糸状に」、唾液を吸収するパン類は「喉を潤してから食べ、詰め込み過ぎない」などだ。厚生労働省が2016年、保育施設などに向けてまとめた事故防止ガイドラインでも食品の特性ごとに安全な食べさせ方を示した。

窒息すると5~6分で呼吸停止 年齢別の対処法は? 

 一方で、歯が生えそろう前の4歳未満に与えない方がいいのは、表面が滑らかで、丸く硬いピーナツなどの豆類という。窒息に至らなくても気管に入ると、取り出すには全身麻酔をして処置する必要がある上、重い気管支炎や肺炎を引き起こす可能性もある。唾液とまざると粘りが増し、吐き出しにくい餅も控えたい。

 窒息すると一般的に、3~4分で顔が青紫色に、5~6分すると呼吸が止まって意識を失う。あいち小児保健医療総合センターや東京消防庁などによると、1歳未満は頭を下にして背中を4、5回たたき、あおむけにして胸の中央を4、5回押すことを繰り返す。1歳以上は背後から回した両腕を腹部で組んで圧迫する、背中をたたくを反復する。処置をしながら助けを求め、救急車を呼ぶのも忘れずに。いずれの場合も反応がなくなったら、心臓マッサージ(胸骨圧迫)をするなど救命処置をする必要がある。

 重篤な状態に結びついた例では、「怒られた拍子に驚いてのみ込んだ」「食べながら走っていて転んだ拍子に詰まった」など食事中の環境も影響が大きい。杉浦さんは「落ち着いて座り、しっかりかんで食べるという意識を持たせることも大事」と呼び掛ける。

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