〈古泉智浩さんの子育て日記〉4・対照的なふたり、うちに来ていなかったら…?

(2019年6月14日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

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アンパンマンをお母さん気取りでおんぶするぽんこちゃん(右)とうーちゃん

家にいたいうーちゃんと、保育園大好きぽんこちゃん

 1歳の里子の女の子・ぽんこちゃんがアデノウイルスに感染しました。アデノは風邪の一種なのですが感染力が強いので、しばらく保育園を休むことに。熱があっても元気で、熱が下がったらますます元気いっぱいでした。

 4歳の養子の男の子・うーちゃんは保育園より家が好きで、「今日保育園休み?」と毎朝聞きます。「木曜日だから明日もう1日行くと休みだよ」と言っても、本当にかったるそうに、ゆっくりゆっくり靴下と靴をはいて、ゆっくり車に乗ります。園に着いても車から降りようとしないので、手をつかんで何とか降ろします。着けば楽しそうにしていますが、主におもちゃの棚に向かって座って一人でブロックで遊んでいます。

 園に行く支度をするお兄ちゃんの横で、当然自分も行くものと思っているぽんこちゃん。「風邪が治るまでお休みなんだよ」と説明をしようとすると、「そんな話は聞きたくない!」と言わんばかりに話をさえぎり、顔を左右に激しく振って泣き叫びました。

 ぽんこちゃんは保育園が大好きです。朝、幼児用の柵の向こうに置くと友達の輪に走って行きます。保育士さん一人一人にもハグして回ります。お兄ちゃんを反面教師にしているかのようなコミュニケーション能力の高さです。

うちに来なかったら、兄はサバイバル、妹はのんびり?

 もしうちに来ることがなければ、うーちゃんにはお兄ちゃんお姉ちゃんが数人いました。うちでは長男として甘えん坊に育っていますが、きょうだいに食べ物をとられたり、好きなおもちゃで遊べなかったり、熾烈(しれつ)なサバイバル環境にいる今もあり得ました。

 一方、うーちゃんに邪険に扱われている妹のぽんこちゃんは、一人っ子かお姉ちゃんとしてのんびり育っていた可能性があります。もちろん僕にとってはそれは困るのですが、もしそんな環境で育っていたら、2人は一体どんな様子だったのかな、と思うことも時々あります。

 お兄ちゃんは夜寝るのが嫌いで、うっかりすると12時くらいまで起きています。かっくんかっくんしながらも頑として眠気と闘っていますが、ぽんこちゃんは9時におしゃぶりをくわえさせて、真っ暗にしてベビーベッドに寝かせるとそのまま寝てしまいます。お兄ちゃんはおもちゃがたくさんあるお医者さんが大好きですが、ぽんこちゃんは聴診器を当てられただけで泣き叫びます。何から何まで対照的な2人ですが、お着替えで逃げるところは困った共通点です。(漫画家)

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