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保育士ってこんなに大変! 記者が1日体験 常に気配り目配り、重責を実感

(2016年12月23日付 東京新聞朝刊)
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「全部食べられるかな」。子どもたちの食べ方を見ながら、体調や食欲に応じて量を調整するのも保育士の仕事の1つだ(中央(右)が小林記者)=東京都文京区立しおみ保育園で(沢田将人撮影)

 深刻な保育士不足に対応するため、子育て経験者の力を借りようという声が聞かれる。しかし、保育士って、そんな簡単な仕事ではないはずだ-。そんな思いから10月下旬、東京都内の認可保育所で1日保育士を体験をした。0歳児から5歳児までそれぞれの発達の段階に応じて、安全を確保しながら、一人ひとりへの言葉かけや配慮を大切にする保育士の仕事は、まさに「生きる力」を育むものだった。

1歳児は「気持ちを表す言葉」を引き出す

 文京区立しおみ保育園での1日保育士体験は朝9時に始まった。1歳児クラスのひよこ組では、子どもたちが思い思いに遊んでいる。ピンク色のバンダナを着けてもらい喜んでいる女の子に「いいねえ」と声を掛けていると、近くにいた子が泣きだした。黄色ならあるのだけれど「友だちと一緒がいい!」。

 担任保育士の藤田千春さんは「探しにいこうか」と手を取り少し離れた場所へ。そのうちピンクをしていた女の子が「はい」と貸してあげた。「わあ良かったねえ。ありがとう」。すかさず保育士たちが2人の子に声をかける。「友だちとのかかわりが出てくるのもこの時期。気持ちを表す言葉を引き出してあげることが大事」という。

5歳児には「見通しを持った行動」を促す

 10時すぎから、園で一番大きい5歳児のゆり組へ。ホワイトボードには午前中の大まかな予定が子どもたちにも分かるように書かれている。来春に小学校入学を控えた子どもたち。見通しを持った行動を促すことも少しずつ取り入れる。

 朝はまず、お店やさんごっこで商品にする紙粘土の動物型のマスコットを制作する。粘土の感触を楽しみながらきれいに型抜きできると「できた」とみんなうれしそうだ。「とがった部分が出ないよう気を付けてくださいね」と担任の渥美はるかさん。細かい部分まで安全性に気を配る。

手助けする「バランス」をいつも意識

 都心にあるしおみ保育園の園庭は狭い。でも、子どもたちはタイヤブランコや砂場などスペースをいっぱいに使って体を動かす。「押してー」と声を掛けられ、他の子にぶつからないようにと冷や冷やしながらブランコを押した。渥美さんは「自分の体で危険を察知する力を育てることと、大けがを防ぐため注意や手助けをするバランスをいつも考えています」と話した。

 給食を食べるスピードは個人差が大きい。私が食べ終わった子たちと折り紙をしている間、渥美さんはこちらを気に掛けつつ、食べている子にも声を掛け、食事が終わったテーブルの掃除も終えていた。

子どもを尊重しつつ、予測できない動きに対応

 昼寝用の簡易ベッドの準備に昼寝前の紙芝居。やることは次々ある。昼寝の間も保育中にできない仕事を進める。家庭との連絡帳もその1つ。「その日の印象的な場面や言葉を伝えるようにしている」と担任の菅原秀美さん。私も行事で使う制作物の仕上げをした。

 夕方、森本由美子園長から修了証をもらって体験終了。体がどーんと重かった。何でも「やってみたい」という5歳児の気持ちを大切にしつつ、予測ができない動きにも常に目と心を配っておくことが求められる。それは家庭での子育てでも同じだが、多くの子どもを限られた保育士で見守ることの重責を感じた。

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コメント

  • 匿名 より:

    一日体験では、本当の大変さ、やりがいは分からないと思います。
    事前に園の方針や各クラスの月案や週案を読み込み、最低でも、各クラス2日ずつ一日中一緒にいれば、多少は、気づくこと、疑問に思うことが、分かると思います。
    簡単に大変だは、言って欲しくないです。大変だけだったら、みんな続けません。子どもの全てを受け止め、やりがい、喜び、達成感、保護者との信頼関係…お金には替えられないものをえられるから、できるのです。

    保育士歴四半世紀ちょいの通りすがりでした。