慣らし保育中の1歳児が、園で何も飲まず食べず…でも先生は忙しそうで相談できない〈宮里暁美の子育て相談〉

(2022年11月15日付 東京新聞朝刊)

育休を1カ月延長した方がよい?

Q 息子が1歳になり保育園に通い始めたけれど、ミルク、お茶など何も飲まず、昼ご飯も一切食べません。今は慣らし保育期間中で早くお迎えに行っているものの、育休をもう1カ月延長した方がよいのではないかと焦っています。園の先生方は忙しそうで相談できなくて、途方に暮れています。(30代の母親、長男)

イラスト・永須華枝

勇気を出して先生に話して。仲良くなると、子どもに伝わり安心につながることも

A 新しい環境との出会いは大人でもドキドキするもの。小さな子どもたちも同じです。中には質問者のお子さんのように、体の中に何も取り込めなくなってしまう子もいます。水分を一切とってくれないと本当に心配ですね。

 「慣らし保育」は「慣れ保育」とも呼ばれます。新しい環境に「慣れていく」ための期間の保育。そこからは「あなたが慣れるまでそばにいるよ」と言う声が聞こえてきます。

 新しい環境に慣れるために必要な期間は人によって違います。なかなか慣れない時には早めのお迎えをしばらくお願いすることもあります。小さな子どもたちは自分の気持ちを言葉では表しませんが、「食べない」「飲まない」という姿で表しています。だからこそ、育休期間をもう少し延長しようという決断は貴重です。

 育休明けで仕事を頑張らなくちゃと思っていただけに予定は狂ってしまいますが、ここは踏ん張りどころ。自分が早く迎えに行くことで、わが子の健康が保たれるならば大事な選択です。海外の例ですが、昼休みに保護者が園に行き授乳するという園を見たことがあります。職場内の園だから可能だったわけですが、こんなやり方もあるのかと感心しました。

 揺れる気持ちを先生たちに伝えたいけれど忙しそうで言い出しにくいようですが、どうぞ勇気を出して話してみてください。園の先生と話して仲良くなっていると、それがお子さんに伝わり安心につながることがあります。子育ては時間をかけて焦らずに。いつか大丈夫になる日を夢に見ながら。

(文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)

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