タレント・クリエーターのソーズビー・キャメロンさん 両親と僕の間には「信頼あっての距離感」がある

古根村進然 (2023年10月22日付 東京新聞朝刊)
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両親や子役時代の体験について話すソーズビー・キャメロンさん(由木直子撮影)

家族のこと話そう

両親は「冷戦」後に離婚、幸せそう

 僕の家族は、アメリカ人で英語講師の父、外資系の投資会社に勤める日本人の母、雄のティーカッププードル1匹です。ただ、両親が昨年に離婚し、母親が今年9月に再婚したので、現在は母と義理の父、義理の弟、犬1匹が家族ですかね。

 両親の離婚は、「冷戦」が続いた後の卒業だったので互いにもめることもなく、あっさりしていました。2人とも新しい未来を見つめてルックスハッピー(幸せそう)なので、良かったと思います。

 僕の本音を言えば、離婚に対し、良い意味で興味がないんです。それぞれが自分のことばかり考えているナルシシストな家族だからかもしれない。お互い信頼して助け合いますが、昔から互いに一定の距離感があるんです。ただ、母に再婚の件を知らされた時、思わず「一人息子はいまだに恋人ができないのに、離婚した両親にはなぜ恋人ができるの」って怒ったことは覚えています。

集団行動になじめず、いじめられ…

 父とは仲良しです。おおらかで優しく、子どもに好かれます。日本語を全く話せないので、僕と会話をするときは英語を使います。子どもの頃は「タイムアウト」と呼ばれるアメリカのしつけを受けました。自分の非を認めるまで数分間1人で反省し、何が悪いか、そしゃくできたら許されるという手法です。自分の考えを主張しなさいという方針も強かったです。

 母もあいさつなどしつけは厳しかったですが、のびのびと育ててくれました。サッカーや水泳など習い事は僕が嫌だと言ったら、すぐやめられました。母は僕を連れて自分の友達と会うことが多かったので、そこで大人との接し方を学んだように思います。

 家庭がアメリカ風だったからか、子どもの頃はカルチャーギャップを感じました。小学校の集団行動や、先生に「ノー」と言いづらい雰囲気になじめなくて。「オカマ」などと言われ、いじめられたこともあります。

今は美大生「パークバレエ」を企画

 そんな中で、個性を認められた芸能界の仕事は楽しかったです。踊りのレッスンや現場に母が同伴せず、一人で任せてくれたこともうれしかった。何か新しいことを学びたくて、17歳からはクラシックバレエを始めました。

 今は美術大学の学生で、芸術と社会をどうつなげるかを考える学科にいて、一つの試みとしてクラシックバレエの作品を切り抜き、公園などで演じる「パークバレエ」に取り組んでいます。敷居が高いイメージのあるバレエの世界観を、多くの人に見てもらいたいとの思いからです。バレエ経験のない学生も出演し「見るものを限定しない」と掲げ、各地で公演。僕は女性役を演じますが、一人の役者として挑戦しています。母も公演に足を運び、そんな僕を応援してくれています。

ソーズビー・キャメロン

 2000年、米国オレゴン州生まれ。8歳で芸能界デビュー。NHKEテレの「大!天才てれびくん」や「ビットワールド」、「えいごであそぼ Meets the World」などに出演。YouTubeチャンネル「メイド・イン・ソーズビー」でパークバレエの活動などを発信している。

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