仮面ライダー電王に出演 俳優・溝口琢矢さん 厳しめの母の励ましが今に 家族を信じることの大切さも教わった

五十住和樹 (2020年8月16日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

家族のこと話そう

写真

(隈崎稔樹撮影)

福山雅治さんの事務所に書類送った母

 2つ上の兄と父母の4人家族です。僕がこの世界に入るきっかけを作ったのはお母さん。小学4年の時、「どっちの料理ショー」という番組のオーディションに兄弟で応募しました。僕が受かっちゃって、収録の帰り道にお母さんから「こういう仕事、楽しい?」と聞かれたんです。無邪気に「楽しかった」と答えたら、何を勘違いしたのか、自分が好きだった福山雅治さんの所属事務所に書類を送ったんです。

 チャンスだと、やらせてみようと思ったんでしょうね。でも、僕はサッカー少年で、やったこともないダンスとか歌、お芝居が本当に嫌で。週に1回のレッスンで、泣きながら何回も「今日はもう、無理」と抵抗すると、「決めたのにやらないんだったらもう、やめた方がいい。事務所に電話する」。そう言われると「ちょっと待って、そこまでは」となる。お母さんの少し厳しめな励ましが、今の自分につながっています。

勝負メシは鶏もも肉の塩こうじ漬け

 中学1年の時、学校での人間関係に悩んだことがありました。お母さんがいち早く察知して掛け合ってくれたのですが、一番うれしかったのは自分を最後まで信頼してくれたことです。将来的に家族を持ったら、自分の家族を信じることはマスト(不可欠)だと思いますね。

 仕事を終えて家に帰ると、必ずお母さんのご飯がある。ある時、仕事中に何回も電話の着信があって。「何かあったの?」とかけ直すと、「今日は何が食べたいのかなって思って」。塩こうじに漬け込んで焼く鶏のもも肉がすごくおいしいです。僕の勝負メシかな。

 お父さんは僕の仕事にあまり関心がないようですが、いつも「体には気を付けろよ」「何があっても、体が第一だよ」と声を掛けてくれる。自己管理が大切だと思っているので、疲れている時にはこの言葉が身に染みます。

劣等感抱いていた兄からのうれしい言葉

 僕が小さいころに箱根へ家族で行った時、ロープウエーで一緒になった外国人家族とうちの父母が楽しそうに会話する姿をよく思い出します。初めての人と笑顔でコミュニケーションするのは楽しいんだと教えられた。自分が人と話すのが好きになったのは両親のおかげ。仕事にもすごく役に立ってます。

 僕は小さい時からお兄ちゃんへの劣等感がすごかった。サッカーもうまいし勉強もでき、女の子にもてる。そんな兄から「好きなことをやれるってうらやましいな」と言われた時があった。夢に向かって必死になっている自分を買ってくれていると、うれしくなった。役者としてしっかり自立しなきゃと思いますね。

溝口琢矢(みぞくち・たくや)

1995年、東京都生まれ。2007年にデビューし、「仮面ライダー」シリーズなどテレビドラマや映画、ミュージカルなどに出演多数。28日から9月6日まで東京・サンシャイン劇場、9月22日に愛知県刈谷市総合文化センターである舞台「かがみの孤城」に出演予定。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年8月16日

あなたへのおすすめ

PageTopへ