子どもの留守番、必要な「ルール」はどう決める?

寺西雅広 (2017年4月14日付 東京新聞朝刊)
 就学や進級をきっかけに、そろそろ子どもに留守番をさせてもいい時期かもと考えている家庭も少なくないだろう。子どもが1人のときに、訪問客や電話があったらどう対応することにしたらよいだろうか。子どもの成長に合わせ、「わが家のルール」をつくりたい。

未就学児・小学生の86%が経験あり

 通信教育大手のベネッセコーポレーションが運営する教育情報サイトが2013年に未就学児や小学生の保護者約1400人にアンケートしたところ、「留守番をさせたことがある」と答えた家庭は86%。そのうち76%が小学3年生までに経験させていた。名古屋市の主婦(35)も、4年生になった長男に留守番を頼み、パートで働くつもり。「鍵をなくさないかといった心配はあるけれど、そろそろできる年齢では」と話す。

 アンケートでは、留守番をさせている家庭の88%が訪問客や電話にどう対応するか「約束事を決めている」と回答した。ただ、子どもの防犯対策を研究し、「子どもの防犯マニュアル」の著書があるセコムIS研究所(東京)主務研究員の舟生(ふにゅう)岳夫さん(48)は「普段のコミュニケーションから、どんなことなら守れるのかを見極めて、約束事を決めてほしい」とアドバイスする。

図解 子どもに留守番させるときのポイント

 舟生さんは訪問者や電話への対応に不安があれば、「きちんと施錠して『出ない』と決めてしまってもよい」と話す。ただ、この場合も「子どもが絶対に鍵を開けないという約束を守れることが前提」になる。留守と思われると空き巣に狙われやすいのではと心配する人もいるだろうが、しっかり戸締まりしていれば簡単には入られないという。

玄関ドア、電話、宅急便…約束事にしておこう

 訪問客や電話に対応する場合でも、玄関のドアは開けないことを約束事にしたい。「インターホン越し」や「ドアチェーンをかけたまま」で「親はすぐに帰ってくる」などと伝えると、大人がいない時間は短いと印象づけられる。

 宅配便は大人がいる時間に届くよう指定するとよい。指定した時間外に届いたときは受け取らないなど、あらかじめルールを決めておく。電話は留守電にしたり、親の携帯電話に転送したりする方法もある。

鍵は見えないところに 開けるときは周囲を注意

 気を付けたいのは鍵の管理だ。鍵が人目につくと1人で留守番をすると分かるので、ポケットに入れるなどしたい。鍵に通したひもをズボンのベルト通しなどに結んでからポケットに入れると、なくしにくく取り出しやすい。首からぶら下げると、ひもが遊具などに引っかかる危険がある。

 鍵を開けるときも要注意。開けた瞬間、後ろから押し入られるケースがある。ドアを開けるときは周りに人がいないか確認し、家に誰もいなくても「ただいま」と言う習慣をつけたい。不審者を見かけたら、友達の家や近所の店に行くなど避難場所を決めておく。

 教育書などには、来客があったら「母は今、手が離せません」などと答えるよう勧めるものもあるというが、舟生さんは「そんな言い回しは、小学生にはなかなか難しい」。ただ、できないと決め付けて何もさせないのも、子どもにとってプラスとはいえない。「留守番のルールは1回決めたらそれでOKではない。子どもの成長に合わせ、常に見直して」と話す。

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