パパ記者通信(9)「一人でできるよ」自立心の芽生え 手を出したくなるけど…

佐野周平 (2017年6月30日付 中日新聞朝刊)

 娘が最近、身の回りのことを自分でやろうと挑戦するようになってきた。ちょうど自立心が芽生え始める時期らしく、娘の成長を感慨深く見守っている。

 私も妻も、娘が困ったそぶりを見せるとすぐに手を出してしまう。娘が一人で始めたパズルを、気付いたら妻と2人でやっていたことも。妻と話し合い、世話の焼き過ぎを控えるように心掛けることにした。急に一人でやるように促しても、娘もそう簡単には応えてくれない。そこで、娘の自立心をくすぐる作戦に出てみた。

 例えば着替えの時。「一人じゃ着られないかな」「難しいと思うよ」。娘の前で妻とこんな会話をする。娘は黙々と着替え始め、終わると自慢げに見せてくる。大げさに驚いてあげると、娘はにんまり。この作戦が奏功し、「一人でできるから見ててね」が娘の口癖になった。

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一人で靴下を履く娘。かかとを合わせて履けるようになってきた

 静岡県牧之原市子育て支援センターの保育士小沢裕美さん(52)は「まずは親子間の愛着関係が大事。失敗しても大丈夫だという安心感がないと、自立心は育ちにくい」と強調する。過度の干渉は子どもから成功体験を奪うことにもなり、「どこまで手を出していいか、子どもの成長を見ながら考えて」と助言してくれた。

 親が手を出せばすぐ終わることも、娘が一人でやろうとすれば時間がかかる。手間取る娘に歯がゆく感じることも少なくないが、そんな時は、娘も頑張っているんだと自分に言い聞かせている。

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