連休明けの子どもの「休みたい」は「もう限界」のサイン 家庭での”本来の姿”、親はよく観察して

(2019年4月27日付 東京新聞朝刊)
 今日から10日間の大型連休がスタートする。長期休み明けは不登校など調子を崩す子どもが増える傾向があるが、NPO法人「全国不登校新聞社」の石井志昂(しこう)編集長(37)によると、今回は連休に入る前から不安が高まっている様子がうかがえるという。「休み中は、家庭で子どもの様子をよく観察して」と呼び掛ける。

休み前から「居場所がない」「死にたい」相談増加

 「4月中旬以降、『居場所がない』『死にたい』などの相談が増えています」。例年、休み明けに相談が多く、休み前から子どもが直接連絡してくることはまれという。「今回は連休中に苦しくなる子どもが増えそう」と心配する。

 大型連休は、進学や進級で環境が変わって緊張が続いた子どもたちが、いったん心と体を休められる期間。一方で、終われば日常に戻るため、もう一度スイッチを入れ直さなければならず、ストレスがかかる。

大人は「ここを乗り切れば成長できる」と思いがち

 石井さんは保護者や周りの大人の対応として、「連休は子どもが本来の自分に戻れる時期。その姿をよく覚えておき、休み明けに変化がないか気を付けて」とアドバイス。

 体の不調を訴えたらSOSのサイン。「学校を休みたい、と言われても、先生や保護者は『ここを乗り越えれば精神的に成長できる』と思いがち。でもほとんどの子は頑張りすぎています」と指摘。「休みたいという子どもの気持ちを親が認めると、自分を大切にしていいんだと思えて安心する。案外、落ち着いて翌日から登校できたりします」と話している。

「休みたい」と口に出したら、すぐに休ませて

<子どもを守るポイント>

【基本3カ条】
・連休は本来の自分に戻る時間
・休み明けの体調不良はSOS
・「休みたい」=「もう限界」

【気を付けること】
・元気な様子を覚えておく。
・ダラダラしても干渉しない。ただし心配していることは伝える。
・学校に行こうとするとおなかや頭が痛くなったり、食欲がないなど不調が出てきたら不登校の前兆。
・「休みたい」と口に出したら、自分で解決しようとしたけどできなかったということ。すぐに休ませる。

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