家庭内コロナ感染が急増中…防ぐには? 食卓や床は「S字から拭き」、掃除は「隅」をゆっくり丁寧に

太田理英子 (2020年8月6日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 新型コロナウイルスの家庭内感染が増えている。無症状のまま気づかないうちに、家族に感染させることは避けたい。とはいえ、自宅でも気を張り続けていると疲れてしまう。コロナとの闘いが続く中、「緩く、長く」感染予防を続けるにはどうすればよいのか-。

図解 家庭内感染の予防の例 1日1~2回消毒、共用はなるべく避ける、高齢者らはできる限り別室で過ごす、日中は1~2時間ごとに5~10分換気

「自分は無症状で感染している」意識で

 4日に東京都足立区の小学生が陽性であることが分かった。小学生の家庭では約1週間前の7月27日に家族の1人が体調不良を訴え、7月30日にPCR検査で陽性と判明している。

 家族への感染を防ぐポイントは何か。東北大大学院助教の吉田真紀子さん(57)=感染症疫学=は「複数の方法の組み合わせで、できるだけリスクを低くするしかない。自分が無症状で感染していると思って行動を」と呼び掛ける。

ドアノブやスイッチは1日1、2回の消毒

 吉田さんら医療関係者チームは、家庭での具体的な予防法をハンドブックにまとめている。例えば、触る機会の多いドアノブや照明スイッチは1日1~2回の消毒を勧める。薄めた漂白剤や家庭用洗剤も有効。アルコールを含むティッシュで拭いてもいい。

 高齢者や基礎疾患がある人は、できれば食事の時間をずらし、家族となるべく別室で過ごす。長時間、一緒にいる場合や会話をする時はなるべくマスクの着用を。

水拭きは、ウイルスを塗り広げてしまう

 コロナ予防用の掃除を心がけることも大切だと、医療環境管理士の松本忠男さん(59)は訴える。自宅では、家族が集まり飛沫(ひまつ)が飛びやすい食卓のほか、洗面所やトイレの掃除には注意点があるという。

 大切なのは「から拭き」。そして、「同じ方向に拭くこと」。水拭きは「ウイルスを取るどころか塗り広げる」。食卓や床はS字を描くように拭くと、ウイルスが残りにくい。油汚れで洗剤を使っても、最後はから拭きをした方がよい。

図解 感染予防のための掃除の注意点 テーブルや床はS字でから拭きする、部屋の隅や壁にはウイルスがたまりやすい

 床掃除などでは、ウイルスが付着したホコリが舞わないよう気をつける。掃除前に窓は開けない。風が発生しないように、できるだけゆっくりと動く。ウイルスが付着したほこりや汚れがたまりやすい「部屋の隅や壁を丁寧に掃除するだけで、ウイルスの量は減らせる」という。

こまめに繰り返し、習慣化するのが大事

 松本さんは「きちんと掃除を、と思いすぎると心理的負担から続かなくなる」と指摘する。食事や日常の動作の延長で「こまめに繰り返して習慣化していくことが大事です」。

 気にしすぎて、不安やストレスを抱え込んでは本末転倒だ。そうならないよう、東京大大学院医学系研究科の研究者らは、ウェブサイト「いまここケア」で、コロナ禍で心の健康を保つ方法を紹介している。

「楽しい行動」リスト化して心のケアも

 メンバーの1人で、特任講師の今村幸太郎さん(38)=精神保健学=は「活動の制限をされると心の元気がなくなりやすい」と説明する。「声を出して笑う」「ガーデニングをする」「映画や本を見て泣く」など、自宅でできる楽しい行動のリストを作り、できることを達成していくと、明るい気持ちや落ち着きにつながりやすいという。

 今村さんは「感染への不安が募るとネガティブな考えが浮かびやすい。それぞれのニーズや好みに合わせ、できる方法を生活に取り入れてほしい」と話す。

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