〈えほん〉「あの湖のあの家におきたこと」文・トーマス・ハーディング 絵・ブリッタ・テッケントラップ 訳・落合恵子

長壁綾子 (2020年12月11日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
写真

(長壁綾子撮影)

 優しい医者と明るい妻が建てた、湖のほとりの小さな家。ある日、家族は兵隊に家から出て行くように命じられる。

 それから1年がたち、家には音楽家一家が住み始めた。だが、しばらくすると徴兵を逃れるため、一家も家を出た。戦後、家は「ベルリンの壁」により湖と隔てられる。やがて壁をたたき壊した主も亡くなり、家に15回の冬が訪れ去った時、1人の若者が家に現れた。

 戦禍をくぐり抜けた「家」は、著者の曽祖父が建てたもの。家がたどった運命に接し、戦争をするのもしないのも人間なのだと感じる。1980円。クレヨンハウス=電話03(3406)6372。

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