使わない宴会場が子どもの居場所に変身! コロナ禍で横浜の飲食店と保育室・学童保育がタッグ
石原真樹 (2021年1月18日付 東京新聞朝刊)
新型コロナウイルスの影響で収入が減った横浜市都筑区の飲食店と保育室・学童保育が手を組み、店の宴会場を改装したスペースで認可外保育室・学童保育「APどろんここぶた」を昨年10月にオープンさせた。店の経営者で、学童の運営団体理事長になった多賀谷彰さん(51)=写真=は「自分がこだわってきた、食と音楽のあふれる場所にしたい」と意気込む。
おやつは地元野菜入りの卵焼き
12月、本や手作りの遊具、ギターなどが並ぶ広々とした空間で、子どもたちは本を読んだり、歌ったり、思い思いの時間を過ごしていた。新型コロナ感染拡大前は会社員でいっぱいだった飲食店「勢 鴨居店」2階の宴会場はすっかり子ども仕様に。おやつは地産地消にこだわった飲食店ならではのメニューで、子どもたちは地元野菜を使った卵焼きなどをうれしそうにほおばっていた。
同店は新型コロナの感染拡大で3月は宴会が軒並みキャンセルになり、4、5月は休業した。このころ、都筑区内の認可外保育室・学童保育「どろんここぶた」が横浜市に運営自粛を求められ経営難だと知人を通じて知り、「空いている宴会場を使わないか」と声をかけ、新たな展開につながった。
子どもが気持ちを出せる場に
多賀谷さんは、アルバイトで雇った高校生が突然来なくなるなど子どもの状況が気にかかっていたという。ミュージシャンとしても活動してきた経験を生かして「ここで音楽に触れる経験をさせて、子どもに自信を付けてあげたい」と思い描く。どろんここぶたの園長で、新施設でも保育する片岡恵美子さん(47)は「学校などで窮屈な思いをしている子どもが思い切り気持ちを出せる場にしたい」と話した。問い合わせは同施設=電話045(507)4528=へ。
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