「おかあさんといっしょ」座ったままでも体操できる! 障害ある子も楽しめる振り付けが登場

加藤健太 (2021年5月14日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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「すわって からだ☆ダンダン」を披露するまことおにいさん(右)とあづきおねえさん=いずれもNHK提供

 60年の歴史を刻むNHK・Eテレの長寿番組「おかあさんといっしょ」の体操コーナーに、初めて、座ったままでも楽しめる振り付けが登場した。タイトルは「すわって からだ☆ダンダン」。番組制作者たちが「車いすなど体が不自由な子も、みんなと一緒にできるように」というメッセージを込めた。 

下半身を使う動きは別の動作に

 2019年4月から放送されている通常版の「からだ☆ダンダン」では、曲に合わせて約3分間、体操のお兄さん、お姉さんと全身を動かす。四つんばいになったり走り回ったりするパートがあり、下半身に障害がある子らには難しい動きもあった。

 新たに登場した「すわって からだ☆ダンダン」は、下半身を使う動きを別の動作に置き換えた。床に手をついて恐竜になりきるパートは座ったまま肩を前後に回す動きに。走り回るパートは車のハンドルを回す動作をしながら上半身を左右に傾ける動きに変わる。

 監修した順天堂大大学院の内藤久士教授(運動生理学)は「動きを置き換える時、空を飛んだり忍者に変身したりする子どもの世界観を壊さないよう心掛けた」と解説する。

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「すわって からだ☆ダンダン」では恐竜になりきるパートで座ったまま肩を前後に回す動きに変わる

ダンサーMAIKOさんが振り付け

 試作段階では、2~5歳の障害のある子に協力してもらい、無理なく安全にできるかを確かめた。最終的な振り付けは、通常版に続き、人気歌手「きゃりーぱみゅぱみゅ」さんの曲の振り付けを担当するダンサーMAIKOさんが考えた。作詞は漫画家の吉田戦車さんだ。

 番組の中原美和プロデューサー(45)は「通常版の開発時から車いすの子や立ったままが難しい子も一緒にできる体操にしたいという思いがあった」と明かす。

 通常版が定着してから、その思いを形にした。大切にしたのは、障害のある子たちの特別なバージョンではなく、「みんなで一緒に」という理念。そのため、置き換える動作は一部にとどめた。 

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「からだ☆ダンダン」の恐竜になりきるパートでは両手足を床につけて動かす

昨年9月から毎週月曜日に放送

 「座って版」は昨年夏に初めて放送され、障害のある子の保護者らから「きょうだいで一緒に楽しめた」「わが子が取り残されていないと思えた」と好意的な意見が多く届いた。反響の大きさに、NHKは急きょ、昨年9月にレギュラー化し、現在は毎週月曜日に放送している。

 「まことおにいさん」の福尾誠さんと「あづきおねえさん」の秋元杏月さんは本紙にコメントを寄せ、こう呼び掛ける。「たくさんの子どもたちに体を動かす楽しさや喜びを知ってもらいたい。できるところを一緒にやってみてね!」

おかあさんといっしょ 

NHK・Eテレで月曜~土曜の午前7時45分から放送されている2~4歳児向けの教育エンターテインメント番組。歌や人形劇、体操などで構成する。1959(昭和34)年に放送開始。体操コーナーは61年4月にスタートした。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年5月14日

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