動物の親子の絆、繊細なタッチで絵本にしました 板橋区の印刷会社が新たなチャレンジ

(2021年7月29日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
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絵本を出版した「いたばし印刷」の柴崎誠代表取締役(左)と二見隆一さん(中)、坂口麻衣さん=板橋区で

 東京都板橋区の印刷会社「いたばし印刷」が、動物の親子の絆を色鉛筆で描いた絵本「よろこび」を出版した。文章とイラスト執筆から編集作業まで、社長と社員の4人で手掛けた。読者からは「幸せな気持ちになれた」「当たり前の日常に感謝することを考えさせられた」といった声が寄せられている。

名刺受注など減少 新たな収益源に

 絵本では、ゾウやキリン、シマウマなどさまざまな動物の親子が、身を寄せ合ったり、抱き締め合ったりする様子を温かく繊細なタッチで表現。「あなたが うまれたとき ようやく あえた よろこび」「あなたが たべたとき おいしいね という よろこび」といった文章を添え、子育ての喜びを伝えている。

 絵本製作は、コロナ禍によるテレワークの普及で企業から名刺印刷の受注が大幅に減るなどしたため、新たな収益源確保が狙いだ。代表取締役の柴崎誠さん(53)が企画し、同社所属のイラストレーター、二見隆一さん(64)が作画を手掛けた。1970年代以降、写実的に描く「スーパーリアリズム」を広告業界で実践してきた。10年ほど前に業界を引退後は、ぬくもりある色鉛筆画に魅了され、作品を手掛けていた。3年半前に入社し、ペットの肖像画を手で描く事業を担っている。

子育て中の人の癒やしになれば

 絵本では、二見さんのイラストに、社員の坂口麻衣さん(49)が文章を寄せ、今年5月に出版した。坂口さんは社内で何度も話し合い、10回以上文章を書き直したという。「子どもに読み聞かせながら、会話につなげられるよう工夫しました」と振り返る。

 9人の孫がいる二見さんは「入学式がなくなるなどコロナ禍で大変な思いをしてきた子どもたちを応援し、子育て中の人の癒やしとなれば」と話す。柴崎さんは「祖父母を含め、幅広い世代に読んでもらいたい」と期待した。

 絵本はサイズが縦横21センチ、24ページ、1冊2200円(税込み)。いたばし印刷の店舗やオンラインショップなどで購入できる。区内全図書館に寄贈しており、10月には原画展が区立中央図書館で開かれる予定。 

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2021年7月29日

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