子育て中の困窮世帯、 85%が賃上げなし 「フルタイムでも月13万程度しか…」キッズドア調査
畑間香織 (2023年6月27日付 東京新聞朝刊)
認定NPO法人「キッズドア」(東京)が5、6月に子育て中の困窮世帯の賃上げ状況を調べたところ、昨夏と比べて賃金が「上昇しなかった」との回答が85%に上った。26日に調査結果を発表したキッズドアの渡辺由美子理事長は「最低賃金を一割以上引き上げるなど、年収が低い方の収入が増えるような対策をしてほしい」と訴えた。
9割近くが「今年の年収は300万円未満」
調査回答者の一人で、横浜市で高校3年生の長男と暮らす派遣社員の女性(51)は、昨夏と比べた月の手取りは2万円減の12万円ほどだ。コロナで入院したのを機に昨年末に雇い止めに遭った後、急いで探した現在の職場で1月から働く。時給は前職より200円上がったが、働く日数は減ったため月収が下がった。光熱費や食料品の値上げが家計を圧迫しており、今夏はエアコンを使わずに節約する予定だ。「首を切られるのが怖いから職場に賃上げは求められない」と話した。
調査の分析をした担当者は「中小企業や非正規で働いている人が多いため、大手で働く人とは違って賃上げがされていないのではないか」と厳しさの理由を推測する。9割近くの回答者が、今年の年収は300万円未満と予想している。
非正規の時給「1円たりともも上がらず」
自由記述欄では「非正規の時給は1円たりとも上がらない」「フルタイムでも月13万程度しか稼げない。フルタイムで働けば生活できる世の中になってほしい」などの意見があった。
調査は5月30日~6月6日、キッズドアから物資や就労の支援を受けている2300の登録世帯を対象にインターネットで実施。1538世帯から回答を得た。
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