2月に子どもが鼻水と頭痛…風邪?花粉症?迷った時の受診先は〈森戸やすみのメディカル・トーク〉

(2024年2月20日付 東京新聞朝刊)
イラスト 鼻水や涙目の子ども

イラスト・菅原真紀

花粉症が低年齢化 2歳で発症も

 2月に子どもが鼻水や涙目で、「頭が痛い」と言い始めたら、花粉症か風邪か、もしかしてインフルエンザか悩ましいものです。今流行しているインフルエンザや新型コロナウイルス感染症は、高熱が出て喉が痛いことが多いので、まずは体温で見分けます。

 IgE抗体が働く花粉症は何度もスギ花粉に接することで、ある年突然発症します。初めてや2回目の春を経験する0~1歳の子はまず風邪でしょう。花粉症の発症は低年齢化しているので、2歳で花粉症はありえます。でも、風邪を繰り返す年齢でもあり、受診のタイミングや何科に行くかという悩みがありますね。

 目がかゆい、赤いだけなら眼科でもいいです。花粉症で目の症状が強い子は上下のまぶたをかきすぎて、白目部分だけでなく目の周囲が赤くなったり腫れたりします。アレルギー科でなくても構いません。

耳鼻科でなくても対応できます

 「花粉症といえば耳鼻科」と思う方がいるかもしれませんが、花粉症はよくある病気なので、高い専門性を持つ医療機関でなくても対応できます。

 副鼻腔(びくう)炎を合併して頭痛がする場合なども、かかりやすいところで相談するのがいいでしょう。原因が何であれ、つらい症状があったり、花粉症と風邪で迷ったりするなら小児科を受診してみてください。せきがあったとしても、耳鼻科では聴診器は使わないことが多いからです。

森戸やすみ(もりと・やすみ)

 小児科専門医。1971年、東京都出身。一般小児科、新生児集中治療室(NICU)勤務などを経験。「子育てはだいたいで大丈夫」(内外出版社)、共著に「やさしい予防接種BOOK」(同)など、医療と育児をつなぐ著書多数。「祖父母手帳」(日本文芸社)も監修。子どもの心身の健康や、支える家族の問題について幅広く伝えます。

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