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親だって、新生活スタートで心身不調 「五月病かな?」と立ち止まって

(2018年4月3日付 東京新聞朝刊)
 新入学や就職、異動などで、新たな生活を始める人も多い4月。自分が思う以上に頑張りすぎていたり、環境変化が大きかったりして、心身の疲れがたまる時季でもある。不調に気づいたら「五月病かな?」と立ち止まることが大切。心身のセルフチェックをしながら自身の状況や気持ちを見つめ直し、生活リズムを整えたい。

「やりすぎ」で消耗→優先順位を付けて 

 「慌ただしく4月を過ごした後、ゴールデンウイーク明けごろから授業を欠席したり、課題に取り組めなくなったりして大学に来られなくなり、夏休みに親御さんの勧めで相談に来る…というのが新入学生の不調のパターンの一つです」。明治学院大(東京都港区)の学生相談センター主任カウンセラーで臨床心理士の戸谷祐二さんは大学生の五月病についてこう解説する。 
 
 大学では高校までとは違い、授業の選択など、学生が主体的に判断して行動する場面が多い。そこで生じやすいのが、あれもこれもと「やりすぎ」てエネルギーを消耗するケースだ。 
 
 カウンセリングでは対話を通じて勉強やサークル、アルバイト、ボランティアなどに優先順位を付けられるよう助言。活動を整理し、休養を大切にしつつ生活を整える手助けをしている。
 
 入学当初から意欲が出ないという人も。第1志望の受験に失敗し、不本意ながら志望校以外の大学に入学したケースで多く見られ、学内で対人関係を築けず、孤立して悩みを深める傾向がある。カウンセリングでは、興味のあるサークルへの参加を勧めるなど視野を広げさせ、同時に学生自身の「こだわり」を見つめ直すよう促す。
 
 こうした過程を経て問題を克服し、主体性や価値観を育むなど成長する学生も多い。そのため、五月病を全面的に否定するのではなく、人生における「早い段階での『気づき』とみることもできる」と戸谷さん。「保護者も頭ごなしに叱らず、相談センターなども利用して成長の糧にしてほしい」と呼び掛ける。

 

子の通学準備、お弁当…生活パターンの変化で親も「過緊張」

 「新入学生や新入社員に限らず、大きな変化を経験した人は、それがうれしい出来事でも五月病になる可能性がある」と話すのは、精神科医の奥田弘美さん。例えば、初めての子どもが小学校に入学したり、中学受験をしたりした母親などもそうだ。
 
 気温や天候の変化が激しい春は、ただでさえ体に負担がかかりがち。そんな中で受験や卒業式を終え、一息つく間もなく新たな生活が始まる。子どもの通学の準備や弁当作りを始めるなど生活パターンが変わる中、子どもの様子を気に掛けるなど「過緊張」が続くことも。その疲れを抱えたまま大型連休に張り切って旅行などに出掛ければ、心身の不調につながっても不思議ではない。

五月病かな?と思ったら

 「まず肉体疲労と自律神経の不調への対処が必要」と奥田さん。勧めるのは、最低でも1日6時間の睡眠や疲労回復に役立つタンパク質を中心とした栄養バランスの良い食事など。週末や連休は予定を詰め込んだり遠出したりせず、のんびり過ごす方がいい。目を閉じてゆっくり腹式呼吸を数分すると、気持ちが落ち着きやすい。習い事などを始めるのは少し先に延ばそう。

イラスト

「心の充電池」のイメージ

 
 「心を充電池とイメージし、そのエネルギーを直感で毎朝チェックするのもお勧めです」。例えば「今日の充電は60%」と思えば、「無理せずに過ごそう」などと予定を調整しやすい。エネルギーが消耗しているなと感じたら、ストレスになる物事や環境を避けるといった工夫もできる。

五月病

 新入学生や新入社員らに5月ごろに現れる抑うつ状態。正式な病名ではない。主に、やる気が出ない、頭痛、不眠、イライラなどの症状が出る。心療内科などで「適応障害」「うつ病」などと診断された場合は治療が必要。

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