2024年はどんな年にしたいですか? 1文字で表すなら〈東京すくすく編集長から新年のごあいさつ〉

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新しい年が始まりました。

ここでひとつ、みなさんに質問です。
今年はどんな年にしたいか、漢字1文字で表してみてください。

子どもとドタバタと過ごしていると、立ち止まって自分自身のことを見つめることなく年末年始の境目を駆け抜けてしまう、という方も多いのではないでしょうか。
子どもを産んでからしばらくは、私もそんなお正月を過ごしていました。

それがある年、年始の親類の集まりで、一人一人が「今年の漢字1文字」を紙に書いて発表することになったんです。
その年、私が書いたのは「届」という字でした。

親として、自分の都合で物を言うのではなく、子どもにちゃんと届く言葉とタイミングで伝えたい。
記者として、どうしたら記事とその内容が読者に届くか、もっともっと考えたい。
そんな思いを込めて選んだ1字でした。

今年は、「質」という字を掲げます。

潤沢にあるとはとてもいえない、朝晩の子どもと過ごす時間。
子どもがほっとひと息つけるように、大事な気持ちのやりとりができるように、自分の状態を整えて、一緒にいられる時間の質を意識したいと思います。

そして、「東京すくすく」として。
いま、子どもや子育てを支えるための制度づくりの議論が佳境を迎えています。
でも、「子どもが育つ場の質」や「そうした場を支える人の支援」が置き去りになっていないでしょうか。

すくすくでは「保育の質」を一つの大きなテーマとして取材と発信を続けています。
昨年末には「こども未来戦略」に、来年度から保育士の配置基準の一部を76年ぶりに見直すことが明記されました。
保育士1人がみる4~5歳児の数が、現行の30人から25人に改定されます。

「大きな山が動いた」と評価する声がある一方で、多くの保育関係者が「正直、もう少し踏みこんでほしかった」「1、2歳児だって成長に大事な時期だから、全体的に基準を見直すべき」「1歳児こそ(現行の6人から、0歳児と同じ)3人にしてほしい」と、さらに手厚い配置を求めています。

保育士に、学童保育の指導員。
子どもたちの一番近くで長い時間見守る方たちの処遇改善も、まだまだ十分には進んでいません。

「質」の字には「ただす」という読み方もあります。
その視点を持ちながら、2024年も取材し、みなさんの声を受け取め、発信していきます。

今年も1年、どうぞよろしくお願いいたします。

(東京すくすく編集長)

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