〈ママパパ議連 本音で話しちゃう!〉第6回 朝日健太郎参院議員 ビーチバレーの国際大会を「棄権」した理由とは…

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 参議院議員の朝日健太郎です。里見隆治議員からバトンを受け取りました。男子バレーボール、ビーチバレーボール日本代表としてのイメージが強い方も多いと思いますが、2016年の初当選からおよそ3年が経ちました。政治家としてのポリシーの中心には「子育て支援」と「教育」があります。我が家も共働きで2人の子どもを育てているので、実生活に直結するテーマでもあります。


〈前回はこちら〉里見隆治参院議員 亡くなった次男が家族に伝えてくれたこと


 実はアスリート時代にも、競技生活と家族との時間が合わないジレンマを抱えていました。最初は競技を優先していましたが、長女の出産と五輪に準ずる国際大会が重なったとき、勇気をもって大会を棄権し、妻の出産に立ち会うことを優先したんです。普通は代表チームにいたら大会を優先すべき。驚かれたと思います。でも最終的には周囲も納得してくれて、悔いのない選択ができました。そのころは政治を目指していたわけではないんですが、政治の世界で社会をよくするためにどうするか、と自問したときに子育てや教育が上のほうにありました。

 実際に政治の世界に入ってみて感じたのは、女性議員が少ないということ。私たちの世代は男性でも積極的に育休をとる人も多いですし、家族のあり方や生活の様々な面が昭和の時代とは大きく変わっていますよね。政府が掲げる「女性活躍」の文脈からしても、女性がもっと政治家にチャレンジできるような環境を整えることももちろん大事だし、社会への理解を広げることも大事なのではないかと。そういったいろんな思いから「ママパパ議連」に入りました。

 さて、我が家には9歳の長女と7歳の長男がいます。選挙区が東京なので、家族4人で同居中です。9歳のお姉ちゃんは最近甘えるのが恥ずかしくなってきて、冷めた面も見せるようになりました。フラストレーションやストレスを自分なりに解消できない年頃なんでしょう。だから気をつけて見るようにはしています。下の男の子は2年生。女の子とは成長のスピードが違います。うまくサイクルに乗れない部分もあったりするけれど、頭ごなしに叱って自尊心を傷つけるような育て方はしたくないなと思っています。親ってついつい感情的になりがちだと思うんですが、そこは本人の特性や個性を大事にしないといけない、と自分に言い聞かせています。

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 土日まるまる休めることはほとんどないですが、秘書の皆さんには「家族との時間を優先させたい」という思いを伝えて、理解してもらっています。家族の外せない用事を中心に公務をセットしていくので、少ないとはいえ、家族と過ごす時間は確保できていると思っています。これが地方の選挙区だったら、おそらくもっと大変だったと思います。例えば朝は会議などがなければ、子どもたちと一緒に家を出て小学校に送っています。幸い学校が駅近くで、自分はそのまま電車で通勤しています。車も使いません。議員宿舎に住む議員が多いので電車通勤というと驚かれます。この背の高さですし、目立っていると思いますが、もう慣れました。子どもたちの友達も声をかけてくれます。

 子育てで気をつけていることは、子どもたちが学校での出来事をどう発信しやすくするかということ。担任の先生とはできる限りコミュニケーションをとるようにしています。月に1回ある公開授業はのぞくようにして、先生と話をしてから仕事にいく。現地視察的なところもあります。例えば、ランドセルは本当に重たいし、通学路も危ないところがある。PTAの打ち上げに参加したりすると、保護者の方々から「政治や行政側に子育て側の意見を伝える術がわからない」という声を聞いたり。自ら中に入っていくことで、いろんなことに気づけます。

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 里見議員からは、スポーツを通じた子育てや地域活動への効果について質問をいただきました。確かによく聞かれることではあるのですが、実は僕自身がまだ検証中なんです。地域活動として最近、子どもたちが通う小学校でオリンピック・パラリンピック教育の一環で元アスリートとして前に立ちました。

 話も大事ですが、実際にスポーツを体験させることは記憶にすり込ませる効果が大きいと感じています。例えば僕の場合はいつも、実際に体育館にネットを張ってもらってアタックをバチンと打ってみせる。するとみんなが熱狂してくれる。いつも思うのは、スポーツはパフォーマンスの優劣ではなくて、あくまで熱狂を生んだり一体感を醸成したりする手段だなと。この効果の感じ方が人それぞれなので、一概には言えないのが悩ましいのですが。

 ただ例えば、先生が僕のパフォーマンスに関わってくれたとすると、その先生が子どもたちにとってそれまで疎遠だったとしても、子どもたちは「先生がんばれ」と声をあげてくれる。僕と先生たち、子どもたちとの距離も近づきます。それも十分効果のひとつと言えると思います。

 親目線でいうと、僕が目立つことで、自分の子どもたちが注目を集めすぎてしまうのでは、と心配したこともありましたが、それは杞憂で、登校時に僕自身に声をかけてくれる子どもが増えました。幸い僕の住む地域にはビーチコートもある。今後も機会があるごとに子どもたちにスポーツの素晴らしさを伝えていきたいと思っています。

 次回の吉良佳子参院議員に質問です。子育て、家事、議員活動といくつものわらじを履いていらっしゃるので、その両立の秘訣を聞かれることが多いと思いますが、その中でも、ご家庭の中でお子さんとの関わり方をお聞きしたいなと。吉良先生が特に大切にされてるポイントなどがあれば教えてください。

朝日健太郎(あさひ・けんたろう)

東京選挙区、1期、自民党。1975年9月19日生まれ。98年、法政大経営学部卒業後、サントリーバレーボール部所属、全日本代表選出。2002年ビーチバレーに転向、08年北京五輪ビーチバレー日本代表、10年アジア大会ビーチバレー銅メダル、12年ロンドン五輪ビーチバレー日本代表。同年に現役引退後、バレーボールの普及や青少年の育成に取り組む。14年早稲田大スポーツ科学研究科社会人修士課程修了。16年の参議院議員選挙で初当選。

(構成・坂田奈央)

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