片山大介参院議員 自戒を込めて…男性育休を「特別」にしないために〈ママパパ議連 本音で話しちゃう〉第8回

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 参議院議員の片山大介です。前回の吉良佳子参院議員から引き継ぎ、また、質問もいただきました。

 私は3人の子の父親で、参議院議員になる前は、NHKの記者をしていました。現在、高校1年生(16歳)中学1年生(13歳)小学3年生(9歳)で、いずれも男の子です。皆、記者時代に生まれたのですが、吉良さんからの質問は「記者時代、どうやって子育てに参加していたのか」というもの。なかなか痛いところを突かれました。


〈前回はこちら〉吉良佳子参院議員 「保育園落ちたの私だ」に寄せられた共感とバッシング


 正直に言うと、記者は勤務時間が不規則なこともあって、育児はほとんど妻に任せてきました。なのに、記者として、私が書く記事は、「ワーク・ライフ・バランス」や「男性の育休取得の必要性」など…。自らを戒めないマスコミの悪いところです(笑)。なので、私が「ママパパ議連」に入ったのも、自戒の念を込めてでした。

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 これまで「育児」と言えるほどのことはしてこなかったのですが、できるだけ、子どもとの時間は大切にしてきました。3人の子どもの出産には、いずれも立ち会いました。このときだけは、どんなに忙しくても、上司に頼んで休ませてもらいました。今では当たり前のことですが、15年以上も前だと、まだ言いづらい時代で、言い出すときに勇気が必要だった覚えがあります。

 子どもが生まれたときのことは、今でも忘れません。親ばかになりますが、生まれた子を見ながら「なんて可愛い子なんだろう」と感激し、「世の中でいちばん大切なことは、この子たちの世代に、より良い社会を残していくことに尽きる」と思ったものでした。言い換えれば、「今、人々がしているすべての仕事は、その目的(よりよい社会を残す)を果たすためにある」という思いでした。

 その究極の仕事が、やはり政治家だと思います。私自身、その後、政治家を目指すことになりましたが、子どもが生まれたことや、その後の子育てが、私の考えに大きな影響を与えたことは間違いありません。

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 先ほども書いたように、今では、妻の出産に立ち会うのは当たり前になったと思いますが、その後の「育児休業」の取得となると、まだまだ取っている人は少ないのが実情です。最新データだと、育児休業を取得した男性の割合は2018年度で6.16%。前の年度から1.02ポイント上昇して過去最高だったものの「2020年までに13%」という政府目標には開きがあります。

 そして、記者時代に取材した、ある会社のことも思い出します。その会社では、対象の社員すべてに、強制的に2週間ほどの育休を取らせていました。でも、その実態を取材してみると、家で仕事をしたり、外に遊びに行ったりと、育児はやっぱり奥さん任せにしていました。奥さんも「中途半端にされるくらいなら、横で見ておいてほしい」という感じでした。

 短い期間を強制的に取らせてもあまり意味がなかったわけで、取るなら長期に。それが無理なら、通常の仕事をしながら子育てにも携われるよう、労働時間などの周辺環境や意識改革に力を入れるほうが大切だということでした。要は「育休を特別なことにしない」ことで、これは、政治の大きな役割だと思います。

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 私の子どもたちは、今では大きくなって、親の手もかからなくなってきました。本当に子どもの成長は早く、親のほうが置いていかれている感じがします。子どもたちは、学校や部活、それに塾で忙しくしているので、接する時間はなかなか取れないのですが、朝ごはんのときなど、できるだけ会話をするように心がけています。最近のできごとなどを、事前に妻に聞いておいて、絶えず会話に入っていけるように気を使いながら。そして、時間が空いているときは、私のできる唯一の料理、玉ねぎをふんだんに使ったカレーを作って、ふるまいながら。私のストレス解消にも役立っています。

 さて、そろそろバトンタッチの時間となりました。次は、西村智奈美衆院議員です。お尋ねしたいのは、私自身にも言えることですが、「旦那さまが育児の戦力になっていますか?」。率直なお答えをいただければと思います。

片山大介(かたやま・だいすけ)

兵庫県選挙区、1期、日本維新の会。1966年10月6日生まれ。慶応大学理工学部卒業後、NHK入局。水戸放送局、福島放送局、社会部での皇室取材などを担当。仕事の傍ら1年間、早稲田大大学院公共経営研究科に通い、2012年3月に修了。その後NHKを退局し、16年の参議院議員選挙におおさか維新の会(当時)の公募から立候補。現在は参議院環境委員会理事など。

(担当・坂田奈央)

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