西村智奈美衆院議員 新潟と往復、議員宿舎で寝かしつけ…綱渡りの「深夜国会」〈ママパパ議連 本音で話しちゃう〉第9回

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 リレーコラムのバトンを受け取りました西村智奈美です。我が家には3歳の息子がいます。夫も衆院議員で、国会会期中は互いに主に東京にいますが、それ以外はそれぞれの地元で活動しています。


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 さっそくですが、前回コラムの片山大介参院議員から頂いたご質問「旦那さまが育児の戦力になっていますか?」の回答から始めたいと思います。同じく衆院議員の夫が戦力になっているかどうか…そうですね、育児は親が2人いたら2人でやることだと思うので、戦力かといわれると、私も戦力なのか?ということになっちゃいかねないですが、夫は家にいるときにはそれなりにやってくれます。

 ただ、まだ子どもが小さいこともあって、私がほぼずっと連れて歩いていますね。国会開会中の平日はだいたい、月曜の朝に新潟から新幹線で連れてきて、東京の認可外の保育施設に行きます。それで土曜の朝、また新幹線に乗って新潟に帰って、そのまま地元の認可保育園の土曜保育に行く。東京では認可保育園には落ちましたが、地元の新潟市では、認可保育園に入れました。


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 新潟では単身赴任状態なので完全にワンオペ。1時間くらい離れている実家から両親が来てくれたり、弟夫婦に頼ったり、朝夜に仕事になれば、ファミリーサポートセンターの方や民間のシッターさんにお願いしたり。地元の活動中、いろんな人の手を借りて乗り切っています。

 平日、東京にいるときは連日綱渡り状態。たとえば1月、衆院本会議での補正予算の採決が午後7時からと急に決まった日がありました。衆院本会議なので、私も夫もマストの出席です。認可外の園で夕ご飯を食べさせてもらって、私が園に迎えに行って議員会館に連れてきて、1時間くらい秘書と遊んでてもらって、終わってから連れて帰ってお風呂にいれて寝かせるという…。

 こういう生活も今は慣れましたけど、ああ今日も1日無事に終わった、と一息ついた瞬間に、明日は園への送りはどうなっているんだっけ、と緊張したりします。


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 振り返れば、一番大変だったのが某年の深夜国会の日。午後11時に開会して、日付をまたいで深夜2時とか3時までやったんですが、あのときはまだ夫が落選していて東京におらず、完全に私1人でした。夫は平日土日関係なく地元での活動がありましたから。その時は私がまず議員宿舎で寝かしつけて、秘書と交代して子どもが起きないように私が帰宅するまでじーっと宿舎で待っててもらっていました。

 国会の日程って、いきなりなのでシッターさんも頼めないんです。前日とかにわかっていればまだいいのだけど、やっぱり国会の日程って直前まで読めないこともある。深夜になって不信任案を出すか出さないか、という局面もある。その度に子育て中の人には親和性のない仕事だよなあと思います。子育てだけじゃなくて、介護や看護もそう。同僚で障害のある妹さんと暮らしている方もいるのですが、そういう方たちも大変だと思います。

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 産後間もない頃を振り返ると、夫は落選中でほぼ地元だったので、本当に私1人でした。産休2カ月というのは実は国会議員のなかでは長いほうですが、民間企業くらいは休まないといけないと思って決めました。

 産休をとっている間は、夫が来たり、実家から母や弟夫婦に来てもらったり。でもその合間の3~4日間は子どもと1対1になることもあって。精神的に落ち着かないというか、産後うつというのになる気持ちがよくわかりましたね。この先どうなるんだろう、本当に復帰できるのか、みたいな感じだった。子どもも四六時中泣いてましたしね。


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 さらに議員会館の地下にある保育園にも落ちてしまって。それも追い打ちをかけました。どうしようと思っているときに、ある人から、シッターさんはプロだから、頼んででも本会議いったほうが気が楽だよと言われて。そこから切り替えて2カ月経ってから本会議に出たりして仕事をぼちぼち始めたんです。

 産休を2ヶ月とって復帰した後は、議員会館の自室にベビーベッドおいて、シッターさんに来てもらったこともあったし、自宅で見ていてもらうこともありました。今思うと、どうやってたんだろうなあと。仕事に戻って時間が経つとともに、気持ちも楽になって、子どもの成長過程も見えてくるようになりました。いつまでも同じ格好で寝ていなくて、寝返りも打つようになるし、首もすわるようになる。1日として前の日と同じ日はないんだなって。

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 3歳になって思うのは、改めて子どもの成長って早いなあということ。この貴重な時間を経験して私も夫もだんだん親になってくるんだなと。夫ももっと子どもと一緒にいる時間をとりたいと思っているんだけど、やっぱり議員って代わりのきかない仕事だから難しい。選挙で選ばれている以上、その責任も果たさないといけない。私も議員の仕事をやりたいけど、夫にも仕事をやってほしいし、でも私もやりたいし…みたいな。私も夫ももうちょっとバランスの取り方を工夫できればいいのかなと思っているところです。

 最近は仕事に、子どもを連れて行けるところは連れて行くようになりました。いろいろ陰で言われることもあるけど、声をかけられやすくもなった。「お子さんいくつになりました?」と。そこから保育園に入れない話とか、保育士さんの過酷な勤務状況だとか、そういう話を聞ける。子どもが生まれると、一時的に弱者になるじゃないですか。物理的にベビーカーを押して歩くと段差がある、ということをはじめとして、今までできたことができなくなるんですよね。


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 それまで100%できたものが例えば60%しかできないとか、育児と仕事のどちらに時間を使うか悩んだりすると、「ああ、やっぱり子育てしている人はそういうふうに社会で困難に直面していたんだ」ということがわかるようになりました。あとは自分の働き方もなんか工夫できることはないかなと。昼間にがーっと集中してやって、夜はすぱっと帰るとか、そういうこともやろうと思うようになる。そういう意味ではすごく新たな見方ができるようになりました。

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 国会議員に限らず子育てと仕事の両立は大変だと思いますが、頼れる人は誰でも頼ったらいいと思う。使えるならサービスも使った方がいい。私も地元でいろんな人に面倒みてもらったり、東京では秘書や秘書の同僚にまで面倒みてもらったりしていたので。1人でやらない、1人だけでやらないということも大事なのかなと思います。

 さて、次回のコラムを担当される鈴木貴子衆院議員に質問です。「最近お2人目を出産されたばかりで、大変な毎日かと思います。朝早かったり夜遅かったりする日も多いと思いますが、どんなふうに生活をまわしてらっしゃいますか?」。自分のことは棚に上げて…ですが、ぜひお聞きしてみたいです。

西村智奈美(にしむら・ちなみ)

新潟1区、5期、立憲民主党。1967年1月新潟県生まれ。93年新潟大院修了。新潟産業大学経済学部非常勤講師(政治学)、新潟県議などを経て、03年11月の衆院選で初当選。外務大臣政務官、厚生労働副大臣などを歴任。

(構成・坂田奈央)

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