たたかない育児どうすれば? 「しつけ」という名の体罰をなくすために 大変そうに見えない親にも支援を

(2019年10月22日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 しつけ名目の体罰の問題を考えるシンポジウムが、東京都江東区の豊洲シビックセンターであった。たたかない子育てが普及するフィンランドやスウェーデンの関係者らが登壇し、両国の子育て支援策や、日本の子育てを巡る状況について意見を交わした。 
写真

家庭での体罰について意見を交わす登壇者=江東区で

叱ることは必要 でも「言葉」を見直して

 深刻な虐待をした親が「しつけだった」と言うケースが相次ぎ、しつけ名目の体罰を明確に禁じる都の児童虐待防止条例が4月に施行された。来年4月には、同様に禁じる改正児童虐待防止法が施行される。

 シンポジウムでは、スウェーデン出身で企業研修などを行う柚井ウルリカさんは「叱ることは必要だが、どういう言葉を選ぶか見直す必要がある」と説明した。例えば、「バカだ」と叱ると、子どもは「どうせバカだから」となってしまうという。

カギは予防的支援 指導よりも「傾聴」を

 フィンランド大使館広報部の堀内都喜子さんは、妊娠期から切れ目なく親子を支える同国の施策「ネウボラ」を紹介した。助産師や保健師など専門家との定期的な面談で、親は子育ての知識を得て、ちょっとした悩みの相談もできる。「予防的支援で虐待の小さなリスクをつぶしていくことが大事」で、最近は指導よりじっくり話を聞く「傾聴」に力を入れているという。

 国連の提言を受け、セーブ・ザ・チルドレンと児童臨床心理学者が開発した養育者支援プログラム「ポジティブ・ディシプリン」日本事務局統括の森郁子さんは「子育ては親が家庭の中だけでやることではない」と指摘し、子育てが大変そうに見えない人も支援する必要性を訴えた。

4人を子育て中 土屋アンナさんが登壇

 シンポジウムには、歌手で女優の土屋アンナさんも保護者代表として登壇した。4人を子育て中の土屋さんは、子どもがウソをついても、たたくのではなく言葉で伝え、自分でやってみせることが必要だと話した。


◇土屋アンナさんの語った内容を詳しくお伝えします。記事はこちら↓
4人の母・土屋アンナさんの子育て流儀 「私は子どもはたたきません。マヨネーズ投げちゃったけど」


 シンポジウムは、子育て支援団体「ママリングス」と江東区などが主催するイベント「こうとう子育てメッセ2019」の一部として10月14日に行われた。11月4日には、江東区総合区民センターで子育て関連のイベント、11月24日には、江東区男女共同参画推進センター パルシティで里親出前講座が開かれる。詳細は江東区子育て情報発信サイト「こうとう子育てびより」 で。

[元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年10月22日

【2019年10月28日 追記】記事中「ポジティブ・ディシプリン」について、「国連が開発した」養育者支援プログラムと説明していましたが、「国連の提言を受け、セーブ・ザ・チルドレンと児童臨床心理学者が開発した」が正しいとの指摘を受け、訂正しました。

あなたへのおすすめ

PageTopへ