2歳でイヤイヤ期の息子にイライラ……接し方のコツは?〈宮里暁美の子育て相談〉

(2023年7月18日付 東京新聞朝刊)

宮里暁美の子育て相談

ご飯を食べない、着替えを嫌がる…

 2歳の息子にイライラするようになりました。最近はご飯を食べない、着替えを嫌がる、注意しても聞かないといった感じです。反抗期があると聞きましたが、どう話したり、しかったらよいのか、コツはありますか。(30代、母親)

イラスト・永須華枝

待つこと、自分を追い詰めないこと

 「イヤ!」という主張が強くなった頃の子どもの状態を「イヤイヤ期」と言うことがよくあります。親側の視点からいえば、そんな子どもの様子にイライラしてしまう「イライラ期」なのかもしれないですね。

 「イヤ!」を連発する子どもと付き合っていたらイライラします。いい親になろうと頑張っている人ほど、イライラしてしまった自分を自覚して自己嫌悪に陥るという状況も起こりがちです。

 人生の先輩としてお伝えできるとしたら、イライラした自分にがっかりしなくていいですよ! イライラする気持ちを無理に押し殺さなくてもいいです! それは、自然な反応ですから。私もまた、いっぱいイライラしながら子育てをしてきました。そのことをまずお伝えします。

 次に「どう話したり、しかったらよいのか、コツはありますか」という問いについて考えます。

 1つ目のコツは、時を待つということ。「イヤ!」と言い始めてしまった子は、身体中に「イヤ!」の種がありますから、「どうしてそんなことを言うの?」などと聞いても火に油を注ぐ感じになりがちです。そんな時には、しばらくそっとしておく。子どもに関われば関わるほどこじれそうな時は、鍋磨きに没頭するなんていうのもいいですね。イライラのエネルギーが、鍋を磨く力になり、鍋はピカピカになり、心も落ち着きます。おすすめですよ。

 2つ目は、自分を追い詰めないこと。子どもの状況を早く改善させようと焦ったり、その効果が表れないと落ち込んだり、自分の関わり方が悪かったと反省したり、そんなふうに責任を感じる必要はありません。子どもは「自ら育つ存在」です。笑ったり泣いたり、怒ったり、喜んだり、それはみんな自分の意思で行っていることなのです。

 でも、ああ悩ましい。なぜなら子どもの「イヤ!」は、しばらく続くからです。しばらく続き、ふっと終わる。そんなものですが、あなたは大丈夫。「イライラ子育て」の中で経験できる、親にとってのステージアップのタイミングが今なのです。(文京区立お茶の水女子大学こども園・前園長、お茶の水女子大学特任教授)

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