シングルファーザーの先輩に「うらやましい」と言われて〈清水健さんの子育て日記〉60

(2024年4月10日付 東京新聞朝刊)
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小学4年生に! 新しく何が始まるのかな?

清水健さんの子育て日記

いつかは僕はひとりになる?

 いつかは僕はひとりになる? 息子の成長している姿に、そう感じる瞬間がある。

 新年度、何かとバタバタするものだけど、息子の前ではそんな姿は見せたくない! 疲れていないふうを装って家に帰り、一緒にご飯を食べ、お風呂に入る。それなのに寝る時、いつもはどちらかというと寝心地の良い方の枕で寝ている息子が「僕は今日、こっちの枕で寝るから、僕の枕で寝ていいよ!」って。わかるんだろうな。息子に気を使わせてはいけない! 気持ちを引き締める4月です。

 間違いなくうれしい。でも、寂しい。どっちも本音なんだろうなと思う。

 「はなちゃんのみそ汁」の著者、安武信吾さん。1年に何回も会うわけではないけれど、定期的に「会えますか?」と連絡をくれる。妻を同じく乳がんで亡くしたシングルファーザーの先輩で、娘さんは4月から大学4年生。就職活動も始まっているとのこと。

 毎日、自分の将来を考え忙しくする娘さんをみて「子育ては早かった」と思うそうです。「わからんやろ?」って僕に聞く(笑)。わからない。僕は今に必死。4月からの息子の習い事のスケジュール、送り迎えはどうするか。もちろん自分の仕事もある。悩む僕を、安武さんは「うらやましい」とも。

まだ息子には言わない言葉

 「お母さんだったら何て言うと思う?」が安武さん親子の人生における大事な場面での合言葉。僕はまだその言葉を息子には言わない。でも、同じように「妻だったらどうするだろう?」と考えて息子に接するようにしている。妻がいてくれたらなんて考えても仕方がない。でもね、しんどいよ、ほんと、しんどいなと思う時がある。

 自分に言い訳していないか。4月から毎週3時間の生放送のラジオのパーソナリティーの仕事もはじまる。初めてのラジオでの仕事。考えることも増える。その中で、息子との会話に心がこもっていないことはないか。

 「妻がいなくなって16年、人生、娘のために生きてきた」。そう話す安武さんを本当にカッコいいと思う。子育てに一区切りつこうとしている先輩の顔は充実と寂しさと、奥さまへの愛にあふれていた。僕もこうありたい。

 先日、少年野球の体験に行った息子は、初めて僕以外とキャッチボール、バッティング。汗をかき、興奮で顔を赤くし、「楽しかった!」。その言葉はたまらなくうれしい。心も体も成長している。いつか僕もひとりになる? ならないよ、ずっと息子たちはいてくれる。でも、「聞いてよ、今日ね!」って言える人が隣にはいない。

清水健(しみず・けん)

 フリーアナウンサー。9歳の長男誕生後に妻を乳がんで亡くし、シングルファーザーに。

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  • 匿名 says:

    奥様亡くされて、寂しさ、悲しさもありながら、子供さんに寄り添われている清水さん、安武さん💖
    応援しています😊

     女性 60代
  • 南初子 says:

    清水さん、お疲れ様です。読んでいるうちに涙が出てきました。

    息子さんも4月から4年生ですね。早いですね!小学校、中学校、高校と大きくなるにつれて息子さんがどのように変わっていくか心配ですね!でも息子さんは大好きなパパを大事にすると思います。いろいろ考えると寂しくなるかもしれないですね。でも前向きに息子さんと暮らしてほしいです。困った時は深呼吸してください。

    清水さん、ラジオ番組応援しています。また困った時は安武さんに相談して下さいね。これからも清水さんを応援しています。

    南初子 女性 70代以上

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