障害ある子も運動嫌いもイキイキ ボール当て鬼ごっこ「ペガーボール」

松尾博史 (2019年10月28日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
 東京都練馬区の青柳直美さん(48)は昨年11月、同区内で開かれたスポーツイベントで、知的障害者らも楽しめるように工夫されたスポーツ「ペガーボール」に出合った。「ルールが簡単で、ボールが体にくっつくので分かりやすい。思わず体が自然に動く」。障害者や子どもたちと接してきた経験から、障害の有無や年齢にかかわらず楽しめる可能性があると直感した。1月から日本ペガーボール協会(千代田区)の一員として普及に取り組む。
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「ペガーボール」の鬼役のポンチョを着た青柳直美さん。参加者は逃げ回る鬼役のポンチョに、4色のボールを投げたり、くっつけたりする

相手チームの鬼役にボールを当て、くっつけた数を競う

 ペガーボールは5人程度で1つのチームを作り、2つのチームで競う。相手チームの鬼役1人を追いかけてボールを投げ、体にくっつける。鬼役の人が着るポンチョにはボールが簡単につくようになっている。

 追いかけるチームは入れ替わり、多くのボールをつけたチームが勝ち。ボールは手のひらに載る大きさで、スポンジなどでできていて軟らかい。

普及に取り組む青柳さん「楽しく体動かすきっかけに」

 20代前半まで山口や広島県で過ごした。結婚後に都内へ。20代になる娘2人が通っていた練馬区の中学校のPTA会長などを務めた。

 2016年にスポーツ行事などを区民に紹介する同区のスポーツ推進委員に。自身は、高校時代は陸上の長距離、子育て中にバレーボールを始めた。「スポーツは嫌いじゃない。ただ、けがにつながることもあるので、無理をしてやりすぎるのは良くない。自分のペースでやるのがいい」と力まずに楽しむタイプ。ペガーボールはこうした考え方にもなじみ「運動が嫌いな子どもにも楽しんでもらい、体を動かすきっかけになれば」と願う。

ダウン症の子も体験 母「子どもも私も夢中になった」

 老人ホームの運営会社に勤務した後、2017年から知的障害者らが生活する区内の施設で、着替えや食事の介助をしている。「毎日楽しく過ごしてほしい」という思いから、ペガーボールを体験してもらうことも。「障害者の中には思いをうまく表現できない人もいると思うけれど、ボールを手渡すと、『やってみたい』『嫌じゃない』という気持ちが伝わってきます」

 22日に区内で開いたペガーボール体験会には、知的障害のある小学生や保護者らが参加した。ダウン症の長男(10)と体験した母親は「息子はふだんあまり運動しないけれど、ボールを投げるという目標があるためか、楽しそうに走っていた。私も夢中になった」。そんな参加者の声に「子どもたちに自由に楽しく、のびのびと遊んでもらえたら」と目を細めた。

用具セット販売中 11月に体験会

 日本ペガーボール協会では、ポンチョ1着とボール48個の用具セットを販売している(税別6万円)。11月17日午前10~11時半、練馬区光が丘区民センターで体験会を開く。対象は区内の小中学生。無料(11月1~15日に申し込み受け付け)。問い合わせは、日本ペガーボール協会=電話03(5577)7895=へ。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年10月28日

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