マスクで耳が痛くなる悩み、小学生が解決! 富士市の2人「イヤーガード」発案 市立病院などに2500枚寄付

佐野周平 (2020年5月20日付 東京新聞朝刊)
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マスクのゴムが耳の後ろに触れないようにする=富士市立中央病院で

 静岡県富士市の男子小学生2人がアイデアを出した、長時間マスクを着けても耳が痛くならない紙製の「イヤーガード」ができあがり19日、計2500枚が市立中央病院と市医師会に寄付された。製作に必要な資金はインターネットのクラウドファンディングで集め、量産は地元企業の協力で行われた。

同じ小学校のいとこ同士 厚紙でゴムが耳に触れない仕組み

 アイデアを出したのは、いずれも富士市立元吉原小学校の6年深沢望さん(12)と3年佐藤光さん(8つ)。2人はいとこ同士で、佐藤さんの母実沙さん(45)が代表を務める学習塾に通っている。

 新型コロナウイルスの感染が急激に広がっていた4月中旬、自分たちでできる社会貢献について話し合い、コロナ対応に奮闘する医療機関への寄付を考えた。海外の少年がイヤーガードを作り病院に寄付した、という話を知り、それを参考にした。

 2人が考えたイヤーガードは長さ約10センチ、幅約2センチの厚紙2枚からなる。1枚ずつ両耳の後ろでマスクのゴムに引っかけ、後頭部でイヤーガード同士を引っかけて留める仕組み。マスクのゴムが耳にこすれるのを防ぐため、長時間装着することができる。

クラウドファンディングで12万円 地元製紙工場に生産依頼

 2人は段ボールで試作品を作って着け心地などを確かめ、形やデザインを決めたという。クラウドファンディングは実沙さんの助言で活用。4月下旬から今月上旬まで募ったところ約12万円が寄せられた。地元の製紙工場に5000枚の生産を依頼した。

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イヤーガードを寄付した深沢望さん(右)と佐藤光さん

 2人は19日、イヤーガード1000枚を持参して富士市立中央病院を訪問、伊藤すみ子看護部長に手渡した。伊藤部長は「よく考えてくれて本当にうれしい。大切に使います」と感謝していた。富士市医師会にも1500枚を寄付した。残りはクラウドファンディングの寄付者にお礼品として贈るという。

 深沢さんは「喜んでもらえてうれしかった。他にもできることがないか考えたい」、佐藤さんは「コロナの感染がまた広がるかもしれないけど、病院の人たちには頑張ってほしい」と話した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年5月20日

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