「あの日、私は小学2年生だった」 岩手・大槌町の被災生徒作の絵本を実籾高生が朗読 プラッツ習志野で14日に開催

保母哲 (2024年3月11日付 東京新聞朝刊)
 東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県大槌(おおつち)町で、その教訓を忘れないようにと高校生が制作した絵本の朗読会が14日、習志野市の複合施設・プラッツ習志野で開かれる。絵本は、被災時の記憶をたどりながら県立大槌高校の当時1年生だった生徒が作った。朗読会では県立実籾高校(習志野市)演劇部の生徒が、その思いを語る。
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14日の朗読会に向け練習する実籾高生ら=習志野市で

高校生3人が記述 美術部生徒がイラストを担当

 町が海のようになっていました。家がぷかぷか浮いていて、見たことがない光景が広がっています。また、津波の浸水により車や住宅から火事が発生し、そしてそれは住宅のプロパンガスに引火し、あちらこちらに火が広がっていて、まるで火の海のようでした

  あっちゃんは、高台に逃げず家族と家に戻ってしまった友だちをなくしました。(略)家族を亡くした人もたくさんいます。日々の生活や家族みんなで当たり前のようにいられることに感謝をしながら生きて行ってください(抜粋)

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岩手県立大槌高校の生徒が制作した絵本

 2011年3月11日午後、大槌町は大津波に襲われた。火災も起き、死者・行方不明者は当時の人口の約1割に当たる1286人(関連死含む)に達した。この大震災を忘れないようにと、13年に発足した大槌高校復興研究会の生徒たちが18~19年に制作したのが絵本「伝えたいこと あの日、私は小学2年生だった」(A4判、72ページ)。3人が当時を記述し、美術部の生徒がイラストを担当した。

演劇部5人が朗読 当時を絵本で実感 伝えたい

 今回の朗読会で披露されるのは、収録されている3話のうち「記憶」「伝えたいこと」の2話。実籾高校演劇部の2年生5人がステージに立つ。部長の三島愛菜さん(17)は「私自身、東日本大震災時の記憶はないものの、絵本を読んで『こんなんだったんだ』と改めて知った。教訓を後世に伝えることの大切さも知りました」。

 大槌町には、テレビ放映された人形劇「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされる蓬莱(ほうらい)島があることから、テーマソングも披露。1年生6人は照明や舞台設営などを担う。被災者の心情のほか地震、津波などの効果音として、バイオリニストの樋口奈穂美さん=習志野市在住=が演奏する。

 朗読会は、プラッツ習志野で毎月1回開催されている「ワンコインプチコンサート」として実施する。音楽家の戸田志香さん=同=が企画した。当日は午前11時半~午後0時15分。入場料500円。問い合わせは、プラッツ習志野=電047(476)3213=で受け付けている。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2024年3月11日

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