〈清水健さんの子育て日記〉4・チョウチョ探し

(2018年7月20日付 東京新聞朝刊)

清水健さんの子育て日記

初めて虫網に入ったチョウチョを手に取る息子

 「捕まえたかー?」。親子2人、汗びっしょり。初めての虫網に虫かご。久しぶりの仕事の休みに、幼稚園までお迎え。帰りに2人で大阪城公園へ。5分歩けば汗が噴き出る暑さ。息子はお構いなし。興奮して、自分の背よりも長い虫網を何度も土の上に伏せてみる。距離感をつかむ練習なんかな。


〈前回はこちら〉3・仲直りして、また、けんかして


 そして、入った。ちっちゃいちっちゃい白いチョウチョだけど、入ったよ。うれしさよりも、初めての感覚にポカーンとするわが息子。その姿はなんとも愛らしい。虫かごに入れようとすると、ヒラヒラと飛んでいってしまう。またポカーンとするわが息子。ここでやめる息子ではなく、すでに気持ちは次に。走り回る親子。でも、本格的な暑さが続くと、この遊びはどうなるんだろう。体力もついてきたわが子にパパはついていけるのか。

かゆみにグミ

 幼稚園も夏休みになる。息子にはできるだけ付き合いたいけれど、スケジュールを確定するのがほんと難しい。幼稚園の行事一覧を何度も確認。来年の講演会のご依頼もいただいている中、行事を最優先にはできないけれど。これは、なかなかの悩みどころ。こんなパパ、ママも多いんだろうな。

 さて、チョウチョ探し。2人して蚊にさされ、脚にはいくつもの赤い斑点が。かゆい…。近くのお店でかゆみ止めを探していると、「パパ、あったよ」。息子を見てみると、手には、最近、息子が大好きなグミ。真剣な表情で「これを食べるとかゆいのがなくなるんだって」。どこで覚えたのかそんな知恵(笑)。少しの休憩は蚊にさされ、赤くふくれあがった箇所をかきながら。こういう時の息子はなぜか優しい。「パパにもグミあげる」。分かってるんだな、3歳半。でも、このかゆさはごめん。虫よけスプレー忘れたパパは猛反省(汗)。

見てるよね

 帰りの車ではあっという間に夢の中。ちょっと待てよ。荷物がいっぱいじゃないか。息子を抱っこして、幼稚園のカバン、帽子、虫網、虫かご、自分の荷物。自宅マンションの駐車場でバタバタと荷物を落とす。次の方が駐車を待っていて焦る。「大丈夫ですよ、お互いさまですから」。荷物を拾って、息子を抱っこしている僕に持ちやすいようにまとめてくださる。こんな時にも感じる人の温かさ。

 パパしてるよ。みんなに助けられながら。なんで一緒じゃないねんって言いたいけど。この寝顔、見てるよね、幸せ時間。(元アナウンサー)

〈次回はこちら〉5・親にしかできないこと

清水健(しみず・けん)

1976年、堺市生まれ。2001年、読売テレビ入社。13年5月に結婚し、14年に長男誕生。約4カ月後に妻を亡くす。17年1月に退社、現在は主に講演活動を中心に活躍。 著書に「112日間のママ」(小学館)、「笑顔のママと僕と息子の973日間」(同)がある。

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