相撲大会で勝てなくても、成長の証はあちこちに〈古泉智浩さんの子育て日記〉20

(2021年1月29日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる
写真

雪で遊ぶ、うーちゃん(左)とぽんこちゃん

水彩画 楽しくないのかと心配に

 6歳の養子の男の子・うーちゃんは、保育園の年長クラス。4月からは小学校です。

 先日、保育園の展覧会がありました。今年は分散開催で学年ごとの展示です。年長クラスが最初でした。

 うーちゃんの作品は、水彩画が2点とブロック作品、そして棒のようなものが展示されています。水彩画は画面の中央に魚と人が密集している絵でした。魚も人も小さくて、余白が大きく、色は濁っています。せせこましく、伸びやかさと彩りがない作品で、園での生活が楽しくないのではないかと心配になりました。

体力や運動神経 自覚している

 毎年恒例の相撲大会もありました。これまでうーちゃんは、不戦勝が1回あっただけで、対戦では0勝です。今年は相手が女の子なので、申し訳ないけどチャンスだ頑張れ、ぜひ勝利を味わってほしい、と願っていました。ところがあっさり負けたそうで、後から写真を見ると、相手の女の子はうーちゃんより一回り大きい子でした。とうとう0勝で相撲大会のキャリアを終えてしまいました。

 3歳の里子の妹・ぽんこちゃんは、よく食べてよく眠る子なので相撲も強いはずと思っていたら一回戦負け。ただ、相手が優勝した子だったので、まだまだ期待してしまいます。

 うーちゃんは、以前から「男子の中で2番目に弱い」と言っていました。体力や運動神経に恵まれていないことを自覚しているのです。僕も同じだったので、その惨めさは痛いほど分かります。僕は学校など全然楽しくなかったので、うーちゃんにも「つらかったら行かなくていいよ」と言いたい気持ちはやまやまです。

家の中では楽しく過ごさせたい

 しかし、つらいからと言って簡単に背中を向ける子になっても困ります。世の中に出たら、学校などとは比較にならないほど厳しい場面がめぐってきます。今、うーちゃんは歯を食いしばって耐えているのかもしれません。せめて家の中では楽しく過ごさせてあげたいと思っています。

 そんな、うーちゃんの下の前歯が2本抜けて、永久歯が生えてきています。投げたボールをキャッチするのも上手になりました。テレビで放送される映画を録画して見ています。洋画などでも吹き替えなら一緒に見に行くことができます。朝、お着替えを自分でして、脱いだパジャマを畳みます。気が付くと、もうずいぶん前から抱っこをせがまなくなっていました。(漫画家)

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