〈中倉彰子さんの子育て日記〉34・上海での収穫

(2015年4月24日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

中倉彰子さんの子育て日記

中日交流子供将棋大会

 春休み、長女マイ(9つ)と2人で、中国の上海に行きました。「中日交流子供将棋大会」に参加するためです。私は、現地の子どもたちに将棋を指導する仕事です。マイにとっては初の海外。私との2人旅も初めてです。

 上海の空港では、現地の将棋指導者の方や、以前将棋のテレビ番組でお世話になった方が出迎えてくれました。

 上海では、小学校の課外授業で「日本将棋」を取り上げている所が多いのです。礼儀作法が学べ、論理的な思考や集中力が身に付く点に着目されてのこと。目に見えて効果があるので親御さんへの印象も良いのだそうです。将棋を取り入れた校長先生が他の学校へ転勤し、またそこで取り入れるという流れで、広がっていると聞きました。

 最初の2日間は観光や四川料理を楽しみ、3日目は、いよいよ交流会。マイは上海の女の子と対戦。言葉は通じなくても、将棋を通して交流できるのが良いですね。

 私は「女流棋士」としてあいさつ。元気よく「ニーハオ!」。子どもたちの笑顔は私の発音のせい?(笑)

 私の指導対局中に、マイが戻ってきました。2局目は勝ったとのこと。とても良い手を指せたそうで、部屋に戻ってから私のパソコンに将棋の画面を出し、再現しようと試みますが、うまくできませんでした。

 「駒を捨てて、角と龍を使って上手に攻め切れたのになぁ」。マイは、この後の大会も楽しみにしている様子で、少し安心しました。

身ぶり手ぶりで日本将棋

 翌日は、地元中学で行われる「上海子供将棋大会」に参加。ここでも日本将棋が授業の1つに加えられています。

 小学女子の部に出場したマイは3勝2敗。入賞はできませんでしたが、たくさん勝ててうれしそうでした。

 私は、皆の対局を観戦し、終わった子たちにアドバイス。「ハオ・ツィー」(良い手ですね)

 対局が終わった子も多くなってきたので、その場で詰め将棋を出題。子どもたちがたくさん集まってきます。王様(ワンシャオン)等、子どもたちに中国語の発音を教わりながら、駒を使い身ぶり手ぶりで伝えます。マイは横で見ていて、「これが正解だよ」と日本語で話しかけています。皆とってもかわいくて、あっという間の時間でした。

 マイの海外初体験は、実り多いものでした。私にも海外普及の楽しさを知り、充実した旅になりました。(プロ棋士)

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