お得なふるさと納税、こんな失敗談も 「年収が下がったら…」「確定申告したら…」〈どんぶり一家のマネー術〉

(2021年11月5日付 東京新聞朝刊)
子育て世代がつながる

どんぶり一家のマネー術

 主婦の財子(ざいこ)さん(39)と会社員の夫の経男(つねお)さん(42)、長男税太(ぜいた)くん(4)、長女貨保(かほ)ちゃん(0)のどんぶり家。一家のお金の悩みにファイナンシャルプランナーの陽子さんが助言するコーナーです。

寄付金の控除上限額を見極めて

 財子 今年も終わりが見えてきましたね。子育てしていると、1年があっという間です。

 陽子 そういえば財子さん、ふるさと納税をしてましたね。

 財子 あっ、バタバタしていて、うっかり手続きを忘れるところでした。毎年、返礼品選びなどは私の担当なんです。

 陽子 ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付すると、その金額から自己負担分の2000円を差し引いた額を所得税や住民税の税金から控除できる仕組みです。さまざまな返礼品も人気ですね。実質2000円の負担で返礼品を受け取れて、お得感がありますよね。

イラスト ふるさと納税

 財子 ただ、失敗したこともあるんです。

 陽子 どんなことですか。

 財子 ほしかった家電製品を返礼品にしている自治体が見つかり、人気を予想して早めに手続きをしたんです。でも、その年は夫の仕事内容が変わり、残業代が減っちゃって。年収も見込みより下がったので、寄付した金額が、控除できる上限額を超えてしまったんです。

 陽子 超過分は純粋にその自治体への「寄付」になったわけですね。

寄付金受領証明書はきちんと保管

 財子 まだあるんです。確定申告せずに控除が受けられるワンストップ特例制度を利用していますが、昨年は家族の医療費が10万円を超えたので医療費控除のために確定申告もしたんです。ふるさと納税の分はワンストップ特例で処理されると思い、手続きしませんでした。

 陽子 ワンストップ特例は、寄付先の自治体に申請すれば、居住自治体に連絡がいくため、自動的に控除が受けられて便利ですが、別件で確定申告した場合は無効となります。寄付先が5自治体を超える場合も同様です。

 財子 はい、慌てて税務署で相談し、修正できたのでホッとしました。税額を多く申告していた場合、法定申告期限から5年以内なら更正の請求ができて、認められれば還付されるんですね。寄付金受領証明書を探すのに苦労しましたが…。

 陽子 お得!と勢いづいて思わぬ落とし穴にはまることも。今年も注意して進めてくださいね。

監修・八木陽子

写真 八木陽子さん

 東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体「キッズ・マネー・ステーション」を設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う「株式会社イー・カンパニー」を設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。

※「どんぶり一家のマネー術」は毎月第1金曜に掲載します。次回は12月3日です。

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