今年はお金をためられた? 年末に「バランスシート」で家計の棚卸しを〈どんぶり一家のマネー術〉

(2021年12月3日付 東京新聞朝刊)

図解 家計のバランスチートと棚卸しシートの書き方

どんぶり一家のマネー術

 主婦の財子(ざいこ)さん(39)と会社員の夫の経男(つねお)さん(42)、長男税太(ぜいた)くん(4)、長女貨保(かほ)ちゃん(0)のどんぶり家。一家のお金の悩みにファイナンシャルプランナーの陽子さんが助言するコーナーです。

「バランスシート」で家計のプラマイ確認

 財子 もう師走。今年は少しはお金がたまったかなあ。

 陽子 一年の締めくくりに、家計の「棚卸し」をしてみるといいですよ。家計の現状を把握するために、プラスとマイナスの財産を書き込んだ「バランスシート」を作ってみるんです。

 財子 バランスシートって、企業の財政状況を示す貸借対照表のことですよね。

 陽子 その家計版です。資産の部に現金、預金や債券、保険(解約返戻金)、株式、投資信託、不動産などを時価で記載。負債の部には、住宅ローンや奨学金返済など借入金を記入します。資産から負債を差し引いた、企業でいうと「資本」に当たる部分が、家計の正味財産になります。

「棚卸しシート」に金融商品の価格を記入

 財子 確かにシンプルなので私にもできそうです。

 陽子 資産が一年でいくら増えているかを見るには、金融商品の「棚卸しシート」を作って前年と比較します。預貯金や投資信託など金融商品ごとに取得価格と時価を記入し、それぞれの合計額を比べてみてください。

 財子 日々の家計簿はなかなか続かないので、これからは年末の棚卸しだけでもやりたいと思います。

 陽子 年に一回、棚卸しするだけでも、教育費や老後資金がたまっているか確認できます。来年の家計運営について考えるきっかけにしてみてください。 

監修・八木陽子

写真 八木陽子さん

 東京都在住。1男1女の母。出版社勤務をへて独立。2001年、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、マネー記事の執筆やプロデュース、セミナーなどの仕事をする。2005年、親子でお金と仕事を学ぶ団体「キッズ・マネー・ステーション」を設立。2008年、家計やキャリアに関する相談業務を行う「株式会社イー・カンパニー」を設立した。著書に「6歳からのお金入門」(ダイヤモンド社)、「10歳から知っておきたいお金の心得」(えほんの杜)など。

※「どんぶり一家のマネー術」は毎月第1金曜に掲載します。次回は1月7日です。

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