【考えようPTA】読者からの反響「通勤中に突然の招集」「家族の時間も犠牲」

砂本紅年 (2017年6月5日付 東京新聞朝刊)

 ボランティア制を導入した東京都内の小学校PTAを紹介した「考えようPTA」(2017年5月12日掲載)の記事に、読者から多くの反響が寄せられた。共働きの家庭が増える中、負担の重さを指摘する意見が目立った。

活動が忙しくて、自分の子供と触れ合えない

 自営業の夫が本年度、公立小学校のPTA会長になったという愛知県内の40代女性は「5月だけで校内外の行事が計6回。ほぼ毎月、夜の懇親会などもある」とぼやく。

 しわ寄せは子どもにも。家庭以外の場で親子が一緒に活動することも趣旨に含むPTA主催の行事でも、役員は運営で忙しく、自分の子どもとは触れ合えない。「しかも、その晩は懇親会。子どもたちは昼間の出来事を自分の親と話せず、寂しい思いをする。一体誰のためのPTAか」

図解 読者のPTA活動で困った例

 女性は、PTAの意義を認めつつも「家事、育児、仕事をこなしPTA役員を務めるのは負担が重く、なり手もいなくなる。拘束時間を少なくするなどサラリーマンでも無理なくできる形にしないと、PTAに未来はない」ときっぱり。

朝8時半にメール「今日は午後2時に学校に集合」

 昼間フルタイムで働く保護者は、平日昼間の会合への出席はままならない。フルタイムで働く40代の会社員女性は昨年度、都内の公立小学校のPTA本部役員を務めた。説明を聞き「フレックスタイムや在宅勤務など、会社の制度をフル活用すればできると思って」のことだった。

 しかし、当初の説明とは違い、平日昼の会合は頻繁だった。朝8時半に通勤電車の中で「今日は午後2時に学校に集合」というメールを受けたこともあった。会社勤めの保護者も協力しやすい方法を考えて提案したが、ほかの役員たちには「相手にされなかった」という。「前例踏襲などを改めていかないと変わらない」と危惧する。

貴重な改革体験談「前例踏襲ではダメ」 

 実際に改革に取り組んだという人も、体験を寄せてくれた。名古屋市港区のOA機器販売業渡辺智久さん(46)は、PTA組織の委員を務めた妻から話を聞き、時間をかけてでも自分が変えようと決意。副会長を3年、会長を2年、顧問を1年と昨年度まで6年間活動に携わった。

 その間に手をつけた一つが、活動の簡素化。「多かった無駄な打ち合わせや集まりを、とにかく減らした」。夜に開かれることもあった会合も見直し対象に。「夜は家族の時間」として、メールや電話で連絡を取り合うようにして、拘束時間を極力なくした。学校の協力も改革の追い風になった。渡辺さんは「子どもたちの笑顔のため。前例踏襲ではうまく運営できない」と話す。

市教委に改革をサポートしてほしい

 このほかにも、さまざまな問題が指摘された。教育問題に力を入れる千葉県松戸市議の山中啓之さん(38)のもとには、毎年春になると市民から「事実上のPTA自動加入は納得いかない」「共働きで介護もあるのに、くじ引きで役員にさせられた」といった声が届くという。

 「PTAは地域にとって大事な組織。まず会則をオープンにして、保護者の疑問に答えることから始めるべきだ。市教育委員会も『PTAは任意団体』というのでなく、もっと積極的に改革をサポートする姿勢を示してほしい」と注文する。

 PTAに対する意見や体験談を募集しています。こちらへのメールの件名に「考えようPTA」と記入し、お送りください。

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  • P&D says:

    こんにちは。

    私は毎年 役員に立候補して10年以上 経ちました。子供達が学校で、お世話になり、自分では何でも知りたいし、行動したいと考えてます。
    1番は交代制で無理なく2人のとこを3人にしたり、後は役員補佐と言うか役員ではなく、代表係や後方係とかになってもらい、みんなでやっていけばと毎年思っています。
    やはり、やりたくない人が多々で何かと理由をつけてPTAの集まりは声かけても断られます。
    子供が居て忙しいのは、みんな一緒と言ったら言葉がおかしいですが、協力性があればいいと思います。

    誰かが、引き受けないといけないので、先生も困ると思い、私は声かけは、しています。色んな意見があると思いますが今 自分で何ができるかを考えて、みなさん、頑張りましょ〜

    できないできないじゃなく、チャレンジして出来なかったら、それはそれで、一緒にやってみようとお友達を誘ってみたら、どうですかね?

    何人かいたら、少しは気持ちも違うと思います!

    P&D 女性 30代
  • 匿名 says:

    PTA、やりたくないのにやってる感が凄い伝わります。私は自分と自分の家族以外のために時間をとられることが嫌いなタイプです。まだ子どもはおりませんが、ママ友問題やPTA問題を聞くと「子供はほしいけど親になりたくない(親のコミュニティに入ることで巻き込まれるめんどくさい諸々に関わりたくない)」というのが本音です。解決方法といいますか、なるべくそういうごたごたに巻き込まれない方法、うまく乗り切るコツについての特集があると嬉しいです。親になりたいけど尻込みするほど、ネガティブイメージしかありません。

      
  • 匿名 says:

    東京都墨田区の公立小学校です。
    子ども会をやめたら子どもが登校班で通えなくなったので、おそらくPTAもやめたら、何かしら子どもに不利益が生じると感じています。
    これだけ世の中が変わっているのに、こんなやり方で、任意の団体に保護者を縛り付けないでいただきたいです。
    こういった事を相談しても、学校は仲介してくれない。
    学校より地域のほうが強いのでしょうか。
    保護者が主張しても、教育委員会や行政は、自分たちは指導出来る立場にないと言って、何もしてくれません。
    これは日本の教育システムに問題ありです。国レベルに対処しないと、PTAなどのトラブルは解決出来ないと思います。このまま放置すれば、学校への不信感は募り、かえって保護者の協力は得られなくなるのでは?
    本来の社会教育団体としてのただしい運営に切り替えるべきで、入学説明会などで保護者に意思確認を取る作業は、今の時代最低限やらなければならない事だと思います。これをやらないと、トラブルは今後増えるでは?

      
  • 匿名 says:

    東京都杉並区の小学校です。入学と同時にほぼ義務的にPTAの会員とされます。上二人が小学生です。フルに共働きでも3人目妊娠出産でも旗振り当番させられる(雨の冬でも新生児を抱っこしながら)、免除の理由にはならないとのこと。同じ共働きでも母親ばかりが的になる。なんと時代錯誤な制度でしょう。何のために仕事に行くのか。PTA制度を都、国単位で変えていかなければ、親たちは現状から変えられない状況になっているのではないでしょうか。

      
  • 匿名 says:

    やっていることは任意ではなく、強制です。まず、そこからして不信感しかありません。子どもの為の組織のはずなのに、親はPTAの事に振り回されイライラしながら予定を調整し、子どもとの時間も少なくなる。一体何のための活動かすらわからないものまである。変えようとすると前例前例で結局何も変わらない。そんなことを口に出せば熱心な親からは「それでも親なの!」「変えたいなら自分が本部やって変えたら!」などとんでもないことを言われる。法律がおかしいと思うなら国の官僚にでもなれっていってるようなもの。
    そもそも任意団体のはず。色んな意見が受け入れられるべき。それなのに任意組織を不要と思うと言うだけでその意見は「親に非ず!」「非協力な人!」などとイジメのような扱いを受ける。

      
  • 匿名 says:

    くじ引きで役員になりました。4回目です。受験生も仕事も抱えてます。仕事が理由で一切やらない人が数人います。お願いですから平等にみなさんPTAをやってください。それが難しいなら、もうPTAは不要。断固として拒否される組織なんて必要ではないかと。

      
  • 匿名 says:

    小学2年生女児がおり、会社員をしている母です。本年度、娘を学童に行かせ始めたところ、そこで父母会という名のPTA活動のようなものがあり、仕事で時間がないから学童にお金を払って保育してもらうのに、これでは本末転倒だと思いました。
    昨年小学校のPTAをされている方々から、仕事を改革したいなら本部役員になってくださいという声を聞いていたため、まず学童の父母会の役員に本年度は立候補しました。働く父母が増えると、守秘義務の観点からも、自分の業務以外の活動(PTAや父母会)をしない方がよいと思うこともあるのは、私だけでしょうか。PTA等で「一人一役制」などがありますが、社会で役を担っていたら、もうそれで十分だと思います。
    学童に父母会があるのを解散できないかと、既に市役所の青少年課や、市議会議員に相談しました。が、父母会には父母会の行事に熱意のある方がいるのも事実で、父母会解散したいといい始めると反感をかわないか心配しています。
    「女性」「PTA」「意義」で検索してこちらのサイトの記事を見つけました。PTAに熱を燃やす女性に、就職活動やNPO活動をしてもらってその役を担ってもらいたいというのが本音です。

      
  • 匿名 says:

    実際問題として仕事をしながらは辛かった。私の次の年に三役全てをフルタイムで働くお母さん達が一斉に立候補して打ち合わせ等を全てメールで済ませ、行事の急な不参加等も遣り繰り出来ていたのを羨ましく見ていました。懇親会も一切無し。只、年度末に父親も子供も連れてお疲れ様会を1度。どちらが良いとかでは無く、専業主婦と仕事を持っている母親が同じ時間帯で活動する事に無理が有ったのだと思います。

      

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