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【考えようPTA】こうして実現「集まらなくても活動できるPTA」 会議の代わりにLINEなど活用

(2019年7月26日付 東京新聞朝刊)
考えようPTA
 「家庭や仕事の事情がさまざまで、集まる曜日や時間帯を決めにくい」「子どもを留守番させて長時間の集まりに出るのは大変」-。学校や園のPTAに関わる保護者からは、会議にまつわる不満の声をよく聞く。最近は誰でも使えるITツールを活用して、「集まらない活動」を目指すPTAもある。実現させた2人の会長に話を聞いた。

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運動会の前、一度も集まらずに済んだ

 「1回も集まらずに済んだなあ」

 千葉市立幸町小で6月に開かれた運動会。同小でPTA会長を五年務める安藤直裕さん(51)は、感慨深い思いを抱いた。毎年、運動会ではPTA競技の運営や、教職員だけでは手が回らないパトロールをPTAで担っている。その打ち合わせのために、会議を開かずに当日に臨めたのは初めてだった。

 「集まりゼロ」が実現したのは本年度、役員や委員の情報共有や意見交換のためにチャットサービス「LINE WORKS(ラインワークス)」を導入したことが大きかったという。

LINE WORKSで議論が活発になった

 これまでもグループをつくってやりとりできるツールを使ってきたが、パソコンでしか使えなかったため、「使える人や時間帯が限られていた」(安藤さん)。スマホでも使えて、保護者の多くがなじんでいる無料通信アプリ「LINE(ライン)」に使い勝手が近いラインワークスを使うことにした。

 導入後は、書き込みへの心理的なハードルが下がり、意見が活発に飛び交うように。子どもたちの熱中症対策など、PTAとして学校に求める対応についても議論を深めた。

「深夜~早朝は連絡しない」ルール

 いつでもどこでもやりとりできるだけに、深夜から早朝にかけてはお互いに連絡を控えることをルールにした。スマホを使っていない数人には、親しいメンバーからこまめに話し合いの内容を伝えている。

 運動会の打ち合わせも含め、例年夏休み前に最低4回開いていた会議は本年度、1回だけだった。安藤さんは「活動の負担を減らしていくことは、本部役員の役目の1つだ」と話す。

単身赴任でも会長を務めています

 兵庫県西宮市立今津小PTA会長の杉浦一洋さん(43)も、ITを活用し、会議の負担を減らしている。

 会議の場で紙で配っていた資料をインターネットのクラウドに置いて、ラインで確認してもらうことに。資料に基づき説明するだけのような会議はなくし、年10回あった会議のうち半数は「集まらない会議」にできそうだ。さらに広報などの各委員会から3人ずつとしていた会議への出席も本年度は一人でOKとした。

 杉浦さん自身、転勤で今は東京に単身赴任中だが、他の役員とラインで連絡を取り合いながら、会長を務めている。普段のやりとりを簡素化する一方、活動の中核となる役員7人が集まる機会は残した。必要な場合には、週末に1時間ほど対面で議論する。「顔を合わせて信頼関係を築いてこそ、組織改革も進めていける」と考えている。

「やらされている」現状を変えよう

 『PTA再活用論』(中公新書ラクレ)の著者で、2007年から2年間、小学校のPTA副会長を務めた川端裕人さん(55)は「当時は、ITツールは『使える人が限られる』と導入が進まなかった。今は誰でも使いやすいツールを活用できる」と効率化の取り組みを評価する。一方、「PTAの問題の本質は、やりたくない人もやらされていること。効率化の取り組みをさらに進めて、この部分の議論を深めてほしい」と話している。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2019年7月26日