なぜ空は青く見えるの? 水と数滴の牛乳で解明〈藤嶋先生と家でできる科学実験・下〉

石川修巳 (2020年4月5日付 東京新聞朝刊)
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空が青く見える原理を実験する藤嶋さん=東京都新宿区の東京理科大学で

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、外出の自粛が求められ、休校が続く地域もありますが、身の回りの物を使って家での実験を楽しんでみませんか。「良い本を読もう」を東京新聞で連載した川崎市名誉市民の科学者、藤嶋昭さん(78)=中原区=に教わる、家でできる科学実験の〈下〉は、空が青い理由について考えます。

ペットボトルの底に光を当てると…

 晴れた空は、青い。当たり前のように思うけれども、東京理科大学栄誉教授の藤嶋さんは、科学の面白さを伝える出前授業で、子どもたちにこう問いかけることにしています。「なぜ、空は青いのですか」

 藤嶋さんは「家でもできる簡単な実験をしてみましょう」と提案。冷蔵庫から牛乳パックを取り出し、水を入れた透明なペットボトル、懐中電灯とともに事務机に並べました。

 まずペットボトルの中に、数滴の牛乳を投入。ペットボトルの底から懐中電灯の光を当てると…。「ほら、光に近い方が青く見えるでしょう」

空気中の酸素や窒素にぶつかって

 実は、太陽の光は赤やオレンジ、黄、緑、青など、さまざまな色が組み合わさってできています。引力を発見したニュートンは、ガラスなどでできたプリズムという装置を使って、太陽の光が7色に分かれることを示しました。

 このうち、青い光は空気中の酸素や窒素にぶつかって、散乱しやすい性質があるとされています。つまり、空が青く見えるのは、この青い光が散らばっているからなのです。

 「この実験で、空気の粒の役割を果たしたのが牛乳の脂肪などの粒です」と藤嶋さん。懐中電灯の光も太陽光と同じように、複数の光からなっています。

夕焼けが赤いのは、どうして?

 では、夕焼けが赤いのはなぜでしょうか。夕方は太陽の光が斜めに差し込むようになり、たくさんの空気の層を通って地表に届きます。青い光のほとんどは空気中で散らばってしまい、遠くまで届く赤い光が残って、夕方の空を赤く染めるわけです。

 「世の中には、不思議なことがたくさんあります。なのになぜ、不思議だなと思わないのかが、これまた不思議」とほほ笑む藤嶋さん。身の回りにある不思議への関心が、科学を楽しくする一歩になると呼び掛けています。

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