休校中の家庭学習支援 先生たちも手探り 教員向け研修や自宅からの配信も

杉原雄介、水谷エリナ (2020年5月14日付 東京新聞朝刊)
 新型コロナウイルスの影響で、オンライン授業などで子どもの学びをサポートする必要性が出てきている中、各地で教員たちも試行錯誤している。

児童が1人で利用できるか、調べなくては

 新型コロナウイルスの影響で今月末まで休校予定の静岡県沼津市で13日、オンラインを活用した家庭学習支援の実施に向けた教員研修が市立沼津高校であった。

 パソコンの画面上で児童生徒と顔を合わせてのホームルーム実施や、家庭学習の内容を解説する動画の配信などが目的で、市立の小中高約40校から教員が参加。教育用コンピューター設備などを手掛ける企業の担当者が講師を務め、ウェブ会議サービス「Zoom」や、動画の保存と共有ができる「Googleドライブ」の使い方を説明した。

 今後は各校ごとに取り組みを進める予定。大岡小の鈴木啓介教諭(32)は「オンライン支援をやるには、各家庭のネット環境や、児童が1人で利用できるかを調べないといけない。Zoomのセキュリティーの安全性も確認する必要がある」と課題を挙げた。

教員が自宅から40人の生徒に向けて発信

 茨城県立鉾田第一高校付属中学校では、教員が学校に出勤せず自宅から、オンライン授業を配信する取り組みが始まっている。教員が学校から、自宅の生徒に向けオンライン授業をするケースはあるが、教員、生徒ともに在宅で授業をするのはユニークだ。

 学校が13日、配信の様子を公開。伊藤駿教諭(30)が水戸市内の自宅からパソコンを通じ、理科の授業を実施した。中学1年生の生徒約40人が、リアルタイムで伊藤教諭とやりとりをしながら、花の写真や花言葉などの情報を画面上に貼り付けていき、デジタル図鑑を完成させていった。

生徒にPC貸与 教員同士の接触も減らせる

 学校は今春開校したばかり。中学1年の生徒40人には4月下旬に1人1台のパソコンが貸与され、国語や数学、英語、理科、社会、体育の授業を1日4コマ実施している。

 多くの教員が学校から授業を配信しているが、教員同士の接触を避けるため、自宅からの配信に切り替えていく。

 7日から自宅での授業配信を始めた伊藤教諭は「教室よりも授業に工夫は必要だが、リラックスした状態でできて、感染のリスクが軽減できるのもいい」と話した。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2020年5月14日

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