教員の指導力を伸ばす「校内研究」10年の歩みが本に 東村山市の青葉小学校の試行錯誤

林朋実 (2022年6月21日付 東京新聞朝刊)

書籍化に携わった(左から)小板橋悦子校長、伊東大介教諭、三石初雄・東京学芸大名誉教授=東京都東村山市で

 東京都東村山市立青葉小学校の教員らが、教員自身の主体的な学びを実現しようと10年以上、試行錯誤してきた歩みをまとめた書籍「校内研究を育てる―その学校ならではの学びを求めて―」(創風社)を出版した。執筆した教員らは「良かったことだけでなく、失敗したこともいろいろと書いた。一つの学校の変化の記録として役立ててもらえれば」と話す。

意欲が持てる独自の研究テーマを設定

 校内研究は、教員の指導力を伸ばすために全国の小中学校などで行われている。小学校では、年度ごとに「算数」「書く力」などの一つのテーマを決めることが多いという。

 青葉小では10年余の間に、校内研究の内容の改善を重ねてきた。音楽、図工の教員や養護教諭なども含めて一人一人が意欲を持って取り組めるよう、各教員が個別に「児童に自信を持たせる授業づくり」「外国語を学ぶことに楽しみを見いだせる学習」などテーマ設定する方法を取り入れた。

教員の自主学習会「学びカフェ」誕生

 また、他の教員による研究授業を見る際には、教え方の改善点などを探すのではなく、子どもがどのように学び、どこでつまずいていたかを観察するようにした。教員の自主学習会「学びカフェ」も誕生した。

 書籍では、こうした経緯とともに、「学びカフェ」が根付いた過程や教員たちの変化、成長ぶりなどを詳述している。

 青葉小で13年間勤務し、校内研究をけん引してきた著者の1人、伊東大介教諭(現在は東村山市立南台小勤務)は「自分も昔の校内研究の記録を読んで影響を受けてきた。教員たちの学びの記録には価値があると思う」と話す。

 書籍は1980円。

元記事:東京新聞 TOKYO Web 2022年6月21日

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